幼少期から「言語が使われる状況と一緒に」包括的な外国語学習が大切オックスフォード大学Hamilton氏へのインタビュー記事公開
同じ時期に、三か国語の通訳をしている親友のルースにも赤ちゃんが生まれ、互いに話すうちに私たちは自分の子どもたちに「すべての」言語を使えるようになってほしいと考えました。そこで、さまざまな国から歌や童謡を集めて、子どもたちに歌って聞かせました。それが私たちのビジネスである「Babel Babies」の始まりです。」とHamilton氏。
■ 経営者として成功したのち、再びオックスフォード大学に戻り研究者の道へ
「Babel Babies」は歌や物語、体を使ったアクティビティを使い、幼い子どもたちにさまざまな言語を紹介し、言語とその文化や人々とのつながりを感じられるようなマルチリンガル体験を提供しています。Hamilton氏は「私たちが大切にしていることは、個々の言語を学ぶことよりも、異なる言語同士のつながりを学ぶことなのです。家庭でほかの言語を学ぶ理由のない2、3歳の子どもたちにとって、フランス語で40単語を学ぶのと、4つの言語で10単語を学ぶのとでは、大きな違いがあるとは思いません。私たちは、一つの言語に焦点を当てるのではなく、言語全般に対するスキルや態度を育てることに焦点を当てています。」と言います。
オックスフォード大学卒業後、中学校の教師、そしてBabel Babiesのビジネスを経験。
現在は再び同大学に戻り、どのように歌が子どもの言語発達に役立つかということ研究しているHamilton氏。
「Babel Babiesの試みは成功して、歌を通して多くの親子の言語学習を手助けしてきましたが、歌と言語学習の関わりを証明した研究があるのか知りたいと思いました。」さらに続けて「ビジネスの世界から学術の世界に移ることを選んだもう一つの理由は、日本でもそうかもしれませんが、イギリスでは、言語や音楽、芸術といった教科への予算が減らされていて、代わりに科学や数学ばかりが重視されるようになっていることです。でも実際には、音楽や言語、芸術は、人間の本質の核となるものです。もし、音楽や言語が子どもたちのためになることを示す強力な証拠があれば、数学や科学を重視する社会の目的を達成するために音楽を活用することができる、ということを提唱することができます。」とHamilton氏。
■ 経営者と研究者の両面を持つHamilton氏からのアドバイス
日本の子どもたちが外国語を学ぶモチベーションを向上させるためのアドバイスをHamilton氏にうかがいました。