2024年1月22日 13:00
【日本初】Lancet Countdown 2023 Japan プレゼンテーション 子どもの健康問題としての気候変動セミナーを実施
一方、気候変動が「非常に影響している」こととして「健康」をあげた人は33.6%にとどまり、自身の健康、子どもの健康に対して気候変動はあまり影響を与えていないと感じているのだと思います。
今田先生:“子どもを守るがあまりに、行動のチャンス、教育のチャンス、アクティビティのチャンス、そういったものが失われた”
1つ気になったのが「今回の猛暑自体が子どもの健康を損なう危険性を感じましたか」という質問に対して「感じた」と答えた人の数が意外と思ったほど伸びていないということです。私自身も子どもが2人いるので、子どもへの影響について考えると、さらに問題意識が高まるなと思います。私自身は、実際この暑さが危険だと非常に感じたので、むしろ子どもはなるべくその暑さにさらさないようにしようと考えてしまいました。今はまだ、適応しようと思えばできる、守ろうと思えば守れる段階です。ただ、むしろ守るがあまりに、いろんな経験を積むチャンス、教育のチャンス、アクティビティのチャンス、そういう損失の方をすごく大きな問題だと感じていました。
今田由紀子 准教授
橋爪先生:“今の子ども世代がこれから経験していくと思われる暑さや自然災害は、深刻度が大きいと考える想像力が大事”
確かに気候変動が非常に影響している分野として健康をあげた方はそんなに多くありません。いま健康影響ということはそんなに意識に十分上ってきてないのかなと思います。
なぜあまりそう感じないのかというと、気候変動や暑さによる影響はなかなか目に見えないので、感知しにくいのかなというところがあります。そうしたものを数値化してき、エビデンスを提供していく研究者の役割と思います。
もう1つの視点としては、今の子ども世代がこれから経験していくであろう暑さや自然災害は、深刻度が大きいと考える想像力が大事なのかなと思います。
橋爪真弘 教授
渡辺先生:“気候変動が実は身の回りでも起きているということに気をつけていくとそれについて考えるきっかけができる”
今、気候変動に対して何も対策を打たない場合、2070年に住めなくなる陸地が地球の陸地の5分の1に達するという、そういう研究結果が出ています。2070年というと、いま大人でも生きている方はたくさんいますし、当然今から生まれてくる子どもにとっては、まだ中年に至るかどうかぐらいの年齢です。何も対策をしなかった場合ですが、そういう非常に喫緊のことであるということを分かっていただきたいです。