2階レベルに平屋をつくる居心地の良さを生む多方向への抜けの良さ
平屋にしたい
この周辺は一区画がゆったりと大きく、いわゆる住宅密集地とは違う雰囲気があったので気に入って購入したという伊藤邸の敷地は73坪。前面道路が広いのもポイントだったそうだ。
広めの敷地が購入できたので平屋にしたいと思ったという伊藤さん。「今までずっとマンション暮らしだったこともあって、家族がいるかいないかがわかる空間で生活をしたいという気持ちがありました。たまたま広い土地を買うことができたので平屋にしたいという要望を出しました」
道路側から見る。玄関部分以外はすべて壁柱によって2階に持ち上げられている。
道路側より見る。敷地の東西の2辺には隣家の擁壁が迫る。
敷地奥から見る。右端に道路が見える。
壁柱で持ち上げる
ゼネコンに勤務する伊藤さんが設計を依頼したのはかつて会社の後輩だった齋藤隆太郎さん。「この実現した案は3つめのもので、2つめのものから高床式のような感じになって、丸柱だったのが最後にこのような壁柱になりました」と伊藤さんは説明する。
壁柱というのは、2階レベルへと持ち上げた平屋を支えている1階部分の構造体のこと。丸柱だと前面道路から奥まで丸見えに近い状態になるため、防犯上の懸念から変更してもらったものという。