2017年12月28日 19:00
じつはかなり背筋ゾクッ…隠された真実に身も凍る「怖い絵のひみつ。」♯7
という説を、7億円という私財を投入して捜査したアメリカ人ミステリ作家のパトリシア・コーンウェルが主張しているのだそうです。
イギリスのみならず世界中の人が注目した殺人事件の詳細、画家の生い立ち、さらにはコーンウェルが書いた本に至るまで。中野さんは探偵よろしく徹底的に調べ上げ、丁寧な筆致でつづります。そして、最後の答えは私たち読者に委ねてくれるのです。おかげで、絵がトリックとして使われた上質のミステリを読んだような気分に浸れたのでした。
知らぬ間に知性と教養が身についている!
本書の巻末には、「あの名画はどこにある? 世界『怖い絵』MAP」と称し、展示された絵が所蔵されている美術館が掲載されています。イギリス、フランスの各地、さらにはアメリカ東海岸。こんなにたくさんの場所から、東京(そして兵庫)へ絵が集まってきたのかと思うと感慨深いものがあります。
この展覧会を開くことになったいきさつや、苦労話も掲載されていて、一大プロジェクトの裏ではさまざまなドラマがあるものだと感動しました。ガイドブックならではの読み物が充実しているところも、本家シリーズとは違う魅力でしょう。
「展覧会には行けなかった」