2015年7月21日 12:00
飲み会での衝撃告白をもとに…漫画『低反発リビドー』のアブノーマルな世界
アパート<コルダーハイツ>に集う人々が語るのは己の熱い性嗜好。ちょっぴりアブノーマルな世界は案外、特殊ではなくて日常と地続きだった!グランドメゾン形式で描かれるユニークなコミック。徳間書店580円。
大なり小なり、誰もが持つのがフェティシズム。しかしそこに広がる世界は実に複雑だ。
「それ、あるある!」と意気投合したのに、実は萌えポイントが微妙にズレていたり、「ないわー」と全否定したものの、その熱意にだけはうっすらと共感できたり。
高野雀さんの『低反発リビドー』で描かれるのは、そんな十人十色の倒錯ぶりだ。自分はワキ毛フェチなのに、彼女が永久脱毛していることを知ってしまった青年のショックや、シングルマザーの女友達に「後期高齢者層が超タイプ」と言われ、理解に苦しむ女性の混乱、スーツ姿や長めの髪型など属性で恋に落ちる各人のフェチぶりを肴に盛り上がる女子会ストーリーなど、全30話のオムニバス。
「大半は、私が飲み会の席で聞いたちょっとした衝撃告白がもとになっています。私は下戸なので、記憶が鮮明なんですよね。いつかこういうネタを明るく描きたいなと思っていたんです」
5階建てのエレベーターなしアパート<コルダーハイツ>を舞台に、各部屋の住人やその友人たちの間で交わされる性癖話が軸になる。