と呼んでいます。共産主義社会では、全員が国家に勤めているようなもの。職業選択の自由が制限されるケースもあるんです。基本的に、すべての事業を国が管理し、計画的に進めていきます。国民が平等に富むことを理念にしているって、いいことのようにも聞こえますが、実情は、どんなにたくさん働こうが、手を抜こうが、お給料は一緒。すると「いいよ、テキトーで」と、働く意欲がなくなってしまうんですね。みんなが働かないので、国家事業も計画通りに進まない。国全体が富まない。
また、国家が権力を持つので、独裁政治に結びついたり、官僚が賄賂で買収されて腐敗政治を引き起こしたりするんです。
最大の社会主義国は、ソビエト連邦でしたが、1991年にソビエトが崩壊してロシア連邦になりました。それを機に世界の社会主義国は減ってきています。現在は、共産主義の中国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム、ラオス、インドやキューバなど。
いま資本主義の国では格差が問題になっていますよね。自由競争を放置していると、貧富の差が増すばかりで、国が介入しないといけないのではないかと疑問視されています。政治的には社会主義でも、経済は資本主義を導入していたり、ふたつの境目は少しずつ解け合ってきているんですね。