くらし情報『現代社会にはびこる呪いの言葉”に警鐘を鳴らす衝撃作『呪文』』

2015年11月3日 12:00

現代社会にはびこる呪いの言葉”に警鐘を鳴らす衝撃作『呪文』

寂れゆく商店街の居酒屋の店主が、ネット上でクレーマーを撃退したところ、カリスマ的な人気者に。彼は街の改革を呼びかけるが…。河出書房新社1500円。

寂れゆく商店街の居酒屋の店主が、ネット上でクレーマーを撃退したところ、カリスマ的な人気者に。彼は街の改革を呼びかけるが…。河出書房新社1500円。

星野智幸さんの『呪文』は、とある商店街にカリスマ的リーダーが現れてから起きる異様な事態を追った、スリリングな小説だ。

「ある種、究極のホラーを書いたといえるかもしれません。
地方だけでなく東京の山の手地区でも商店街が急に寂れていく様子は前から書きたいと思っていました。一方で、ここ数年、路上にあふれるヘイトスピーチも気になり、現実を直視したテーマを盛り込もうと考えました」

寂れゆく松保商店街で唯一客の入りがよい居酒屋『麦ばたけ』。そこに来た悪質なクレーマーを撃退したことから店主の図領(ずりょう)は人気者になり、街の改革に乗り出し、言動がエスカレートしていく。商店街で店を営む青年、霧生(きりゅう)は傍観していたが…。

「図領だけを黒幕にするつもりはありませんでした。誰でも悪に転ぶ可能性がある。普通の人がおぞましい世界を作っていく様を表したかった」

商店街では自警団「未来系」が発足。理想に燃える彼らは強引な行動に走り、意外な人物をも洗脳する。


「ヘイトスピーチに走る人たちは、自分が言葉の暴力を振るっている自覚もなく、むしろ正義感や使命感に駆られていると感じます。

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