土佐鶴酒造株式会社(本社:高知県安芸郡安田町、代表取締役社長:廣松 慶久、以下 土佐鶴)は、高知発のキモかわご当地キャラ「はりまとやばし」とコラボしたカップ酒を、2024年7月24日(水)に土佐鶴オンラインショップで販売開始いたします。はりまとやばし×土佐鶴酒造のコラボ商品新発売「土佐鶴オンラインショップ」 ■商品情報名称 : はりまとやばし×土佐鶴 コラボカップ酒販売(出荷)開始日: 2024年7月24日(水)販売料金 : 440円(税込)URL : はりまとやばし×土佐鶴 コラボカップ酒■高知の新ご当地キャラ「はりまとやばし」長年、がっかり名所と言われてきた高知市中心部にある「はりまや橋」。そのはりまや橋の名誉挽回のため誕生したのが、ちょっと不気味な、でもよく見ると愛嬌がある?キモかわキャラクター「はりまとやばし」。ご当地のはりまや橋はもちろん、高知全体を盛り上げるために色々な活動をしています。■コラボに至った背景土佐鶴の創業250年を記念し、昨年11月3日(金)に開催した「創業250年 土佐鶴フェスin中央公園」。土佐鶴の吟醸酒やおつまみの販売ブースは長蛇の列ができるほど多くの方にご来場いただき、大盛況のうちに終了しました。その土佐鶴フェスを盛り上げようと応援に駆けつけてくれたのが、この「はりまとやばし」。会場の一角に土佐鶴ネオンとはりまや橋をモチーフにしたパネルを設置し、その前に現れた「はりまとやばし」の二人と写真が撮れる撮影スポットは、興味津々の親子連れやSNSでの「映え」を狙った若い女性客で大きな盛り上がりを見せていました。この土佐鶴フェスをきっかけに「はりまとやばし」との交流が始まり、この度コラボ商品を企画、発売することとなりました。「創業250年 土佐鶴フェスin中央公園」に駆けつけてくれた「はりまとやばし」イベントを盛り上げる「はりまとやばし」■新発売「はりまとやばし×土佐鶴 コラボカップ酒」の2つの特徴1. ビビッドな色合いが特徴的なラベルデザイン暗闇から浮かび上がる独特の明かりが魅力的な土佐鶴ネオン看板をバックに、はりまや橋に立つ「はりまとやばし」をレイアウトした、高知の夜が凝縮されたような色鮮やかなラベルデザインです。ビビッドなネオンデザインが目を引く特別ラベル2. お土産にもピッタリな手軽さ、蔵出しならではのフレッシュな味わい手軽なワンカップ180mlサイズで、中身は土佐鶴・新酒の蔵出し風味をそのままに氷点下で生貯蔵した、新鮮な風味とスッキリとした味わいが楽しめるお酒です。薬味をきかせた新鮮なアジのたたきや、香ばしい鮎の塩焼きなど、高知らしい肴と相性抜群です。■「品質第一・誇れる品質の酒を造れ」を貫き続ける土佐鶴酒造株式会社について土佐鶴の創業は江戸時代の安永2年(1773年)にまで遡ります。以来、「品質第一・誇れる品質の酒を造れ」という社是は脈々と受け継がれ、昭和30年(1955年)に現在の会社組織になってからも「淡麗にして旨い辛口」の品質を磨き続けています。土佐鶴のれん■会社概要商号 : 土佐鶴酒造株式会社代表者 : 代表取締役社長 廣松 慶久所在地 : 〒781-6421 高知県安芸郡安田町安田1586設立 : 1955年12月事業内容 : 清酒・焼酎・リキュールの製造、販売資本金 : 4,960万円ホームページ: Instagram : 【本製品に関するお客様からのお問い合わせ先】土佐鶴酒造株式会社TEL:0887-38-6511お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年07月24日注目の若手ガールを紹介するananのイットガール。ここでは、俳優、モデルの月島琉衣さんに注目!2022年にミスセブンティーンとなりデビュー。モデルとしてはもちろん、俳優としての活躍も目覚ましい。今年はW主演を務めたドラマ『からかい上手の高木さん』を筆頭に数々の作品に出演。「人前に出るのが子供の頃から好き。オーディションでも撮影でも、緊張より楽しさの方が上回ります。作品や人との出会いを大切にして、いつか映画賞に輝けるような俳優になるのが目標。演じる役について自分なりに向き合い、考えを巡らせて挑むので、どの作品でもクランクインの日は特別。それでも、ドキドキよりはやっぱりワクワクなんです」飾らない素顔も月島さんの魅力。「自分のキャラを一言で表すなら、“元気”。よく喋るし、声とリアクションが大きいと言われます(笑)」初のバラエティ番組でシガーボックスに挑戦。ドラマ『街並み照らすヤツら』チームで出演。成功してよかった!学校のテストを終えたご褒美に食べました『ラケル』のオムライスは最高。リフレッシュには、おいしいものが一番。撮影で1か月滞在した思い出の小豆島にて。干潮時に現れるエンジェルロードは絶景でした。絶対また行きたいです。つきしま・るい2008年生まれ。『Seventeen』専属モデル。配信がスタートしたNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』には永瀬廉さん演じる主人公の妹役で出演。※『anan』2024年7月17日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2024年07月17日古くから猫には9つの命があるといわれている。9回目、つまり最後の生を得た黒猫が、奇妙な古書店・北斗堂にたどりつき、不思議な日々を送っていく――。日本ファンタジーノベル大賞2024の大賞を受賞した宇津木健太郎さんの『猫と罰』は、猫視点で綴られる、可愛くて、不思議で、壮大な物語だ。あの文豪に愛された黒猫が、生まれ変わって送る猫生は。ページをめくってほどなく、読者は、語り手の黒猫が夏目漱石の『吾輩は猫である』のモデルとなった猫の生まれ変わりだと気づくはず。「たまたま近くの書店で、文豪と暮らした猫について書かれた本を見つけたんです。その瞬間にこの小説の雛型が頭に浮かびました。最初は夏目漱石が飼っていた猫のイメージしかなかったのですが、資料を読むうちに、いろんな作家に飼われていた猫が集まったら面白いなと思い、設定の肉付けをしていきました」物語の冒頭、野良として生まれた黒猫は頑なに人間とは距離を置く。というのも、漱石と過ごした生涯以外の猫生では、何度も人間にはひどい目に遭わされてきたのだ。だが、北斗堂で暮らすうちに、黒猫の中で何かが少しずつ変わっていく。「黒猫の過去については、日本の歴史の要所要所の時期を拾っていくと同時に、物語の背景とリンクさせていきました」店には他にも個性的な猫たちがいる。実在したどの作家に飼われていた猫なのかが徐々に分かってきて楽しい。古本の間で気ままにのんびり過ごす彼らの様子がユーモラスで、本好き猫好きにはたまらない。やがて店の常連の本好き少女・マドカが小説を書き始めたあたりから、物語は創作を巡る話にもなっていく。「他の作家さんや漫画家さんの作品を読んでいると、ご自身の体験を反映されたものはやはり面白いし深みがある。ただの会社員の自分に強みがあるとしたら、書くことに対する悩みや思いみたいなものなのかなと思い、反映していきました」実は北斗堂の店主・北星恵梨香が抱える秘密も、物語の創作に関することである。それが明かされた時、物語は大きく動く。「自分の中で、ゼロから物語を創作することができるのは人間の特権だ、という意識があります。神様でも創作はできないと思っていたのですが、調べたところ、ある神様の存在を知って。人間との対比として、その神様を物語に関わらせていきました」後半には予想外の大スペクタクルが広がるが、「世界観が大きめの作品もよく書いていました」とのこと。「もともとファンタジー要素やSF要素のある、シリアスな作品を書くことが多くて。実は『猫と罰』はリフレッシュ感覚で書いたもので、自分の中ではイレギュラーなテイストの小説なんです」2020年にはホラー小説『森が呼ぶ』で最恐小説大賞も受賞している宇津木さん。今後については、「ジャンルにこだわるというよりも、面白い話が書きたい。いろんなものが書けるようになりたいです」宇津木健太郎『猫と罰』3回目の猫生を漱石と過ごした黒猫が、いよいよ最後となる9回目の生を受け、小さな古書店にたどりつく。そこには物語を巡る秘密があり…。新潮社1760円うつぎ・けんたろう1991年生まれ、埼玉県出身。同人活動を続ける中で2020年に『森が呼ぶ』で第2回最恐小説大賞、今年、『猫と罰』で日本ファンタジーノベル大賞2024の大賞を受賞。※『anan』2024年7月17日号より。写真・土佐麻理子(宇津木さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年07月16日高校3年生の茜はある日、寝たきりの患者を訪ねる「おはなしボランティア」に誘われ、交通事故で重い障がいを負った女性・咲子と出会い親しくなる。二人の交流を温かく描く物語かと思いきや、次第に不穏な空気が立ち込めていくのが辻堂ゆめさんの『二人目の私が夜歩く』だ。昼のわたしと、夜の彼女。一つの体を共有する二人の真実。「私自身が高校2年生の時、祖母に誘われて同じようなボランティアに行ったことがあるんです。相手は30代の女性の方で、すごく喜んでくださって。受験が終わったら会いに行こうと思っているうちに、その方は呼吸器が抜ける事故で亡くなってしまいました。当時の私はまだ身近な人の死にも直面したことがなくて動揺して、ずっと悲しい思い出として心の中に残っていました」いつか何らかの形で、その後もあったかもしれない交流を物語にしたいと思っていた。「でも、そんな簡単に私が普段書いているようなエンターテインメント作品にはできなくて。デビュー10年目になって、ようやくこういう形にすれば書く意味があるかなと思えるものができました」受験勉強と咲子との交流で過ぎていく日々のなか、茜は自分が深夜、夢遊病者のように出掛けていると気づき、ある結論にたどり着く。そして物語が第一部「昼のはなし」から第二部「夜のはなし」に移った時に立ち現れるのは、茜自身は知らない驚愕の事実。さらには、咲子の本音も明かされていく。「私がボランティアでお会いした時、その方はとても優しくて前向きな印象でした。でもそれはその時だけ整えられたものだったのではないかとか、自分は喜んでもらえて嬉しかったけれど、それは偽善みたいなものではなかったかとか、いろいろ考えることがあって。それが今回、昼の話と夜の話のミステリー部分とうまく結びつきました」また、茜は咲子が交通事故に遭う直前、恋人や親友との間に何かがあったらしいと知り、その謎を追うことになる。その過程で、今とはまた違う咲子の人物像が見えてくる。「寝たきりの方はその部分ばかり見られがちですが、その方も人生で他にいろんなことがあったはずで、そこに焦点を当てたい気持ちがありました。普段小説を書いていても、いま進行している世界線以前のその人の人生も考えないとキャラクターは浮かび上がってこないと感じます」登場人物の印象が二転三転する展開は辻堂さんの得意技。ただ驚かせるだけでなく、人間の複雑さが見えてくるのが彼女の作品の魅力だ。「人って、この人は善人で、この人は悪人だなんてくくれないものなので、自分の作品ではあまりステレオタイプの善人や悪人は描きたくないというのがあります。人間って、もっと奥深いものではないかと、書けば書くほど感じますね」すべてが明かされた時こみあげてくるのは、切なさとやるせなさと、温かさ。一連の出来事の全貌を知ることができるのは、読者だけだ。辻堂ゆめ『二人目の私が夜歩く』交通事故で寝たきりとなった女性・咲子と交流を深める高校生の茜は、就寝中のはずの深夜、自分が外を出歩いていると気づくが…。中央公論新社1870円つじどう・ゆめ2014年、大学在学中に『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞、翌年受賞作を『いなくなった私へ』として刊行しデビュー。’22年、『トリカゴ』で大藪春彦賞を受賞。※『anan』2024年6月19日号より。写真・土佐麻理子(辻堂さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年06月15日お笑いコンビ・土佐兄弟の有輝が、Snow Manのラウールが主演を務める映画『赤羽骨子のボディガード』(8月2日公開)に出演することが11日、明らかになった。○■土佐兄弟・有輝が“潜水士”幡一平役で映画デビューヒロイン・赤羽骨子(出口夏希)以外の3年4組全員がボディガードという同作。3年4組のキャスト情報は公式X(Twitter)で1人ずつ順次公開されており、公開前日には主演のラウールからのヒント動画も投稿されている。今作で映画初出演を果たす土佐兄弟の弟・有輝が演じるのは、ツーブロックヘアが特徴的な潜水士(ダイバー)・幡一平。過去にもダイバー役を演じたことがあり、ダイビングのライセンスを所持している有輝が、クラスの戦闘班として得意の潜水技術を駆使し、殺し屋から赤羽骨子を守る役柄を演じ切っている。また、撮影に挑むにあたり、実際に髪の毛を刈り上げて金髪に染め、原作キャラクターを忠実に再現。撮影期間中は持ち前の明るさとコミュニケーション能力の高さで、撮影現場を大いに盛り上げた。(C)丹月正光/講談社 (C)2024『赤羽骨子のボディガード』製作委員会
2024年05月11日「自分が書いた登場人物にはあまり執着しないほうなんですが、今回は連載が終わるのが寂しくて。書いているうちに私も萬春(よろず・はる)のファンになっていたんだと思います」と、恩田陸さん。萬春とは新作『spring』の主人公、天才ダンサー&振付家の青年だ。天才的な舞踊家にして振付家の青年。彼の舞台で魅了させるバレエ小説。これまでも演劇やピアノコンクールなど、言語化が難しい題材を小説にしてきた恩田さん。「そこからさらにハードルを上げるなら踊りかな、と思っていた時に編集者からバレエ小説を提案されたんです。すぐ書けるわけではないので、連載を始めるまでに結構時間がかかりました」構想・執筆にかけた月日は実に10年。その間ひたすらバレエを観て、どうやって言語化するかを考えた。8歳でバレエに出合い、踊りと振付の才能を開花させていく萬春。4部構成の本作は、3章までが春に関わる人物の視点で、さまざまな時期の彼の姿が描かれる。「踊りって、同じ振付でも踊る人によって醸し出される雰囲気が全然違う。不思議ですよね」春の踊りを再現する描写が美しい。作中では極力バレエ用語を使わないよう配慮。バレエを知らない読者でも脳裏に舞台が浮かぶはずだ。第4章は、春自身の視点で綴られる。「全章他の人の視点にすると、天才って理解不能なモンスター的な存在に見えてしまう。それで、本人に語ってもらうことにしました」彼の内面や人間味を知るからこそ、終盤は読者の気持ちも盛り上がる。作中にはさまざまな演目が登場。「どの曲を使ってどういう踊りにするか考えるのは楽しかったです。文章化するのは大変でしたが(笑)」架空の演目も多数登場する。鏡映しのように2人が踊る「ヤヌス」、映画『マトリックス』の音楽へのオマージュとなる曲が作られた「アサシン」、寓話劇をベースにした「三つのオレンジへの恋」…。「『マトリックス』のサウンドは傑作だと思うので、あれで踊ってほしかったんです。私の妄想です(笑)。他の架空の演目も私の趣味が入っていて、誰か実現してくれないかなと思いながら書きました。一番実現してほしいのは『三つのオレンジへの恋』です。完全オリジナルなら『KA・NON』かな」どんな演目かは読んでのお楽しみ。恩田陸『spring』8歳でバレエに出合い、15歳で海を渡り、舞踊家、振付家として開花していく一人の天才。彼を通してバレエの魅力を描き切る長編小説。筑摩書房1980円おんだ・りく1992年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年に『夜のピクニック』で本屋大賞、’07年に『中庭の出来事』で山本周五郎賞、’17年に『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。※『anan』2024年5月1日号より。写真・土佐麻理子(恩田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年05月01日柚木麻子さんの新作『あいにくあんたのためじゃない』は、読めば元気が出る短編集。困った状況からの起死回生。絶対へこたれない全6編。「その時どきで一編ずつ書いていったので、全体を通してのコンセプトは特に決めていなかったんです。本にまとめる時に編集者に“タイトルはどうしますか”と聞かれて。ちょうどその頃、モーニング娘。’23の『Wake‐up Call』があまりにいい曲で歌いまくっていたんですが、歌詞にある“生憎あんたのためじゃない”がこの本の内容にぴったりだなと思って。ハロプロにも許可をいただいてタイトルにしました」他人に惑わされることなく、自分のために生きていこう。そんな気持ちになれる全6編。意外なことに、ほとんどがご自身や周囲の実体験に基づいているのだとか。たとえば、中庭で子供が騒いでもOKというルールのあるマンションが舞台の「パティオ8」。緊急事態宣言のさなか、リモートワークの男性から苦情がきて中庭が使用できなくなる。「これは知人の実話がもとになっています。子供を外に出せなくなったことが原因で引っ越していった家庭もあったそうです。その話を聞いて、なんとかハッピーエンドにできないかな、と思って、住民たちが一計を案じる話を作ってみました」一方「トリアージ2020」は、「私の友達が主人公と同じように、コロナ禍に妊娠中のシングルマザーだったんです。彼女の家の近所に私の母が住んでいたので、母に食べ物を届けさせようかと思ったことから思いついた話です」また、「めんや評論家おことわり」は、仕事を干された傲慢なラーメン評論家が、入店を断られ続けてきた人気店にようやく足を踏み入れることができて…という話。「前に、雑誌の特集で、ホモソーシャルな世界として、厳しいルールがあったり、女性や子連れが入りにくいラーメン店について書くことになったんです。まず自分で作ってみようと思って専門書を読み漁り、映画『タンポポ』を繰り返し観て調理の極意をメモして、自分でラーメンを作ってママ友たちに振る舞ったら、かつてない熱狂で受け入れられました。ちやほやされて調子に乗ってラーメン作りを追究しているうちに、腕組みして友人がスープを味わっている顔をじっと観察するという、漫画に出てくるラーメン店店主みたいになってしまって。気づけば自分自身がホモソーシャルな世界に染まっていたんです。自分が敵認定しがちな人のことを、好きにはなれないけれど、ちょっと分かったことはよかったです」そんな経験からできたこの短編、意外な結末が待っている。他に、地方都市に転勤した女性が年下の女の子の夢を叶えようと先走る「BAKESHOP MIREY’S」、起死回生をはかる元アイドルの男が動画がバズり中の女性を探す「スター誕生」など、どれも軽快でアイロニカルな短編ばかり。スカッとした気持ちになりたい時に、ぜひ。『あいにくあんたのためじゃない』過去の記事が炎上、謝罪文を出したラーメン評論家の佐橋に、出禁だった人気店から声がかかり――「めんや評論家おことわり」ほか5編。新潮社1760円ゆずき・あさこ2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞、同作を含む『終点のあの子』で単行本デビュー。’15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。※『anan』2024年4月3日号より。写真・土佐麻理子(柚木さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年04月03日’60年代ロックとポップスの影響が色濃い芳醇なメロディとバンドアンサンブル。岸田繁さん(くるり)や草野マサムネさん(スピッツ)といった、メンバーが影響を受けたアーティストから称賛されるなど、にわかに注目を浴びているのが結成11年目の4人組バンド、家主だ。メンバーみんな野心があまりないところが居心地がいい。左から、谷江俊岳さん(Vo/Gt)、田中悠平さん(Vo/Ba)、田中ヤコブさん(Vo/Gt)、岡本成央さん(Dr/Cho)。「くるりやスピッツの曲を食べて出した便みたいなものが家主の曲になっているので、その人たちがいなかったら今みたいな曲は作れてないと思います」(田中ヤコブ)バンドの中心人物である田中ヤコブさんはソロアーティストやサポートギタリストとしても活躍している。「ヤコブが作る曲はすごく多彩ですし、自分が作った曲もヤコブがアレンジすると想像以上に良くしてくれるんです」(田中悠平)2年ぶりの3rdアルバム『石のような自由』に対し、ヤコブさんは「自分の中にあるロックのイメージを具現化できた手応えはある」と口にする。ビートルズへのリスペクトを感じさせる1曲目「SHOZEN」の歌詞は同音異義語が多用されるなど、遊び心が溢れる。「去年のツアー中、ずっとかぶっていた野球帽をなくしてしまったことが悲しすぎて生まれた曲で、しょんぼりした気持ちを成仏させたかった。日常のどうでもいい出来事が道端に落ちている石のように思えたことと、自分は声高にミュージシャンであることをアピールするタイプでもないということがリンクして、『石のような自由』というアルバムタイトルになりました。日常の出来事を成仏させたような曲が集まっているので、アルバムは焼き場みたいなものです」(ヤコブ)「なんでも歌詞にするよね」(悠平)「家主の曲を弾いているだけで楽しいです。ヤコブちゃん以外の3人は普段別の仕事をしているので、十分なリソースがバンドに割けていないんですが、それでもヤコブちゃんは許してくれるんです」(谷江俊岳)「メンバーみんな野心があまりないところが僕としては居心地がいいです。僕も新卒で会社に就職した時、細かい事務作業をやっていた経験があります。今は転職活動中なんですが、世の中が華やかではないということは理解できていますし、だからこそ一生活者としてのリアルを歌えるという自負があります」(ヤコブ)「自分としてはバンドが仕事になってしまうとバランスが保てなくなると思っています。月~金曜はバイトをすることで、バンドに寄りかからないようにしています」(岡本成央)「僕もそうですね。バンドで生活しなきゃいけなくなったら変に力が入ってしまう。一般人の目線を持っているのが家主の良さだと思います」(悠平)「なにしろ一般人だからね(笑)」(谷江)3rdアルバム『石のような自由』。先行配信の「SHOZEN」「きれいにおまかせ」「オープンエンド」、ライブで既に披露されている「ひとりひとり」やシングル「Dreamy」の新録版等、全11曲収録。¥2,800(NEWFOLK)やぬし谷江俊岳(Vo/Gt)、田中悠平(Vo/Ba)、田中ヤコブ(Vo/Gt)、岡本成央(Dr/Cho)。ソロアーティスト/ギタリストの田中ヤコブを中心に、2013年結成。「YANUSHI LIVE TOUR 2024」が開催中。※『anan』2024年3月20日号より。写真・土佐麻理子取材、文・小松香里(by anan編集部)
2024年03月19日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する今日の夕食にオススメの献立は、 「豚ヒレ肉と長芋の土佐焼き」 「温奴」 「ハンペンとシメジのすまし汁」 「カブの葉の塩炒め」 の全4品。 しょうゆとだしの味を中心にしたほっこり和食の献立です。 【主菜】豚ヒレ肉と長芋の土佐焼き 豚ヒレ肉は焼き過ぎに注意するだけで美味しく仕上がります! 調理時間:20分 カロリー:145Kcal レシピ制作:料理家 森岡 恵 材料(2人分) 豚ヒレ肉 (ひと口カツ用)6枚 塩コショウ 少々 長芋 8cm 塩 小さじ1/4 かつお節 適量 サラダ油 小さじ1 しょうゆ 小さじ1.5 【下準備】 長芋は皮をむいて厚さ1cmの輪切りにする。 豚ヒレ肉はラップに挟んで肉たたき、またはビン等でたたき、塩コショウを振る。 【作り方】 1. 長芋、豚ヒレ肉の両面に塩を振り、かつお節をまぶす。 2. フライパンにサラダ油を熱し、(1)を入れ、両面を焼き、鍋肌からしょうゆをまわし入れ、器に盛る。 【副菜】温奴 食べてみるとビックリ!冷奴ではなくて温奴なので温かいお豆腐です。 調理時間:10分 カロリー:68Kcal レシピ制作:料理家 森岡 恵 材料(2人分) 豆腐 1/2丁 だし汁 300ml しょうゆ 小さじ1 瓶入りナメタケ 小さじ2 【下準備】 豆腐は4等分に切る。 【作り方】 1. 鍋にだし汁を入れ、煮たってきたら豆腐を入れ、温まる程度ですくって器に入れる。瓶入りナメタケをのせ、しょうゆをかける。 【スープ・汁】ハンペンとシメジのすまし汁 サッと煮るだけでもハンペンの美味しいお出汁が味わえる汁物です。 調理時間:10分 カロリー:31Kcal レシピ制作:料理家 森岡 恵 材料(2人分) ハンペン 1/2枚 シメジ 1/4パック ネギ (刻み)小さじ2 だし汁 400ml しょうゆ 小さじ1 塩 少々 【下準備】 ハンペンは1cm角に切り、シメジは石づきを切り落とし、小房に分ける。 【作り方】 1. 鍋にだし汁、ハンペン、シメジを入れて火にかけ、煮たってきたらしょうゆを加えて火を止める。塩で味を調え、刻みネギを加えて、器に注ぐ。 【副菜】カブの葉の塩炒め カブの葉はちょっぴり歯ごたえが残るくらいの食感が美味しいですよ。 調理時間:10分 カロリー:115Kcal レシピ制作:料理家 森岡 恵 材料(2人分) カブの葉 1~2個分 ベーコン 2枚 <調味料> 顆粒スープの素 小さじ1/2 しょうゆ 小さじ1/4 塩コショウ 少々 サラダ油 小さじ1 【下準備】 カブの葉は長さ3cmに切り、ベーコンは幅1cmに切る。 【作り方】 1. フライパンにサラダ油を熱し、カブの葉、ベーコンを加えて炒め合わせる。 2. 全体に炒められたら<調味料>の材料を加え、サッと炒めて器に盛り分ける。
2024年03月12日東京・銀座の高知県アンテナショップ「まるごと高知」は、2024年2月1日から高知特産『土佐宇宙酒・土佐宇宙深海酒』の販売を開始いたします。店舗地下1階「とさ蔵」の酒販売エリアに特設コーナーを設置。公式オンラインショップからもお買い求めいただけます。生産量に限りがある貴重な一杯をぜひ、この機会に。壮大な宇宙、深海への旅に思いを馳せながらお楽しみください。夢とロマンが詰まった、世界的に希少価値の高い芳醇な一杯【土佐宇宙酒とは】土佐宇宙酒は、2005年にISS国際宇宙ステーションで培養した高知県産酵母を使った日本酒です。有志で立ち上げた高知県宇宙利用推進研究会、酒造組合、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの各団体が協力し合い、同年10月1日、ソユーズロケットに酵母を搭載して打ち上げ、高度40万メートルのISS内にて10日間、増殖・培養しました。帰還した酵母を使って高知県工業技術センターにて試験醸造を繰り返した後、各蔵で活用して商品化。酵母と共に宇宙を旅した高知県産の好適米「吟の夢」「風鳴子」は「宇宙米」とされ、これらを使用する宇宙酒には厳しい基準が設けられています。毎年行われる土佐宇宙酒審査会の審査に合格したものだけが認定、販売されているのです。【宇宙深海酒とは】宇宙深海酵母は、宇宙酵母をさらに水深6,200メートルの深海に持ち込んで培養したものです。高知県産酵母が宇宙から帰還した14年後の2019年。研究者によって南鳥島の周辺海域で水深6,000メートルに沈められました。このときは酵母が水圧に耐えられずに全滅しましたが、実験室で高圧下でも生きながらえる酵母を厳選し、2021年1月に再挑戦。茨城県沖6,200メートルの深海で4カ月間、600気圧の環境に耐えた酵母が生還しました。生存率3億分の1という過酷な試練を乗り越えて誕生した「宇宙深海酵母」です。この酵母を使って醸造されたのが宇宙深海酒。宇宙酒と同じように、厳しい認定条件と審査基準が設けられています。宇宙深海酵母は気圧の高い環境に適応しようとしたのか、酵母菌の細胞壁が厚くなったことが研究者によって確認され、一般的な土佐酒よりも酸の度数が高い傾向にあることが分かりました。【販売する土佐宇宙酒・宇宙深海酒の銘柄】<純米吟醸 宇宙深海酒 美丈夫>(720ml/濱川商店)宇宙深海酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した純米吟醸酒<純米吟醸 夢追い酒 土佐宇宙酒>(720ml/土佐鶴酒造)土佐宇宙酵母と好適米・吟の夢を使用した純米吟醸酒<特別純米酒 空と海>(720ml/高木酒造)宇宙深海酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した特別純米酒<深海の宇宙 Shinkai no Sora>(720ml/有光酒造場)宇宙深海酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した純米大吟醸<宇宙のパワーで夢を叶える純米酒>(720ml/司牡丹酒造)土佐宇宙酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した純米酒<FAR DEEP>(720ml/司牡丹酒造)宇宙深海酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した純米吟醸酒<亀泉 宇宙深海酒>(720ml/亀泉酒造)宇宙深海酵母と酒造好適米・風鳴子を使用した純米大吟醸原酒<宇宙深海酒 宙海-chukai->(720ml/無手無冠)宇宙深海酵母と酒造好適米・吟の夢を使用した純米吟醸酒【高知県アンテナショップまるごと高知】所在地: 東京都中央区銀座1-3-13 オーブプレミア最寄駅: JR線有楽町駅、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅営業: 10:30~19:00(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2024年02月08日注目の若手ガールを紹介するananのイットガール。ここでは、シンガーソングライターの由薫さんに注目!昨年のヒット曲「星月夜」で注目を集めた由薫さん。彼女を音楽の世界に導いた原体験の一つが、高校の文化祭でのできごと。「全校生徒の前で弾き語りをしたんです。緊張で手が震え、ギターがうまく弾けずに悔しい思いをしたけれど、感動で涙してくれた子がいて。その姿を見て以来、音楽への思いが強くなりました。今も一番やりがいを感じるのは、ライブでお客さんの笑顔や涙を見た時。音楽を通して人と繋がれることが幸せなんです」発売の1stアルバム『Brighter』には、メジャーデビューから現在まで発表した全曲を収録。「悩んであがいて、めちゃくちゃ自分と向き合って制作しました。成長途中の、未完成な人間ならではの力を感じてもらえたら嬉しいです」すっぱいものが、私の元気の源。これは昨日食べた酸辣湯麺。バッグにはすっぱいグミを常備しています。“桃太郎電鉄”は地理の勉強にもツアーで地方に行く機会が多いので。名産品も覚えられて楽しい!フィルムカメラにハマっています。スマホより人の素を撮れる気がして。ハーフカメラは見た目もお気に入り。※『anan』2024年1月24日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2024年01月23日東京や滋賀といった別々の場所でコロナ禍を過ごす3人の2年間。柴崎友香さんの新作『続きと始まり』は、2022年から’23年にかけて雑誌に連載した長編小説だ。別々の場所であの時期を過ごす、3人の男女の日常と、心情の変化。「自分を含め世界中が同時に影響を受けた出来事なので、その状況自体を書こうと思いました。人によって受けた影響は違うので、住む場所も仕事も家族環境も違う3人の視点を選びました。自分が書けるのは世界の一部分だけだけど、そこから何をどう想像していけるかを考えたかった。連載当初は、2年経てば落ち着くと思っていましたがそうはならなかったので、書いているうちに、小説自体が影響を受けて、書くものも変わっていきました」大阪出身で一時期は東京に住み、今は結婚して滋賀県で暮らす30代の優子。東京で妻と幼い子供を育てているものの勤務先の飲食店が休業状態の30代の圭太郎。フリーの写真家の40代のれい。彼らの日常が交互に2か月おきに語られていく。「3人の人生で何歳の時に何があったか一覧表にして考えていきました。コロナ禍で今までとは違う状況になって、彼らもこれまでの経験や今の生活について考え直さざるを得なくなっていく」緊急事態宣言などで、どういう影響を受けたのかはそれぞれだが、「あの時期は、いろんなことが標準とされる家族を想定して決められていた。でも人の関係性や在り方は様々だし、家族であっても個々の事情は違う。それに家族というと、恋愛、結婚、出産の3つがセットになりすぎているしんどさもあるなと感じていて。愛し合って結婚しました、というだけではない家族も書きたかったです」日々を過ごす中、過去の震災のことや個人的な苦い思い出も彼らの胸を去来していく。「2011年に震災でいろんな問題が出てきた時、“震災があって問題が起こるのではなく、今まであった問題がこういう災害があると拡大するだけだ”という声があって、そうだなと思って。コロナ禍もそうだし、社会の出来事にしても個人的なことにしても、過去のいろんなことが今の自分に影響しているんですよね」昔の出来事を振り返り、迷ったり新しい気づきを得たりしながら進む3人に、読者も励まされる。「たとえば以前だったら、何かができなかった時に“本人の努力が足りなかったからだ”と個人の問題にされがちでしたが、今は社会の構造という個人の努力や選択とは別の影響があると捉え直されるようになりました。それは大きいと思います」過去からの連続の中で、自分の今ここがあると実感させる本作。「未来のことを考えた過去の人が作ったものの中で、今自分は生きている。自分の今の行動の先に、未来を生きる人がいる。世の中にあった過去の出来事を考えることは、未来を考えることなんだなと感じます」柴崎友香『続きと始まり』コロナ禍の2年間、別々の場所で暮らす3人の男女の日常を細やかに描き出す。ポーランドの詩人シンボルスカの詩が引用されるのも印象的。集英社1980円しばさき・ともか1999年に短編「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」でデビュー。2010年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、’14年「春の庭」で芥川賞受賞。ほか受賞作多数。※『anan』2024年1月17日号より。写真・土佐麻理子(柴崎さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年01月17日爆速爆音のメロコアサウンドと、一度聴くと耳から離れない秀逸な歌詞が魅力のヤバイTシャツ屋さん。結成10周年を記念し、遂にベストアルバム『BEST of the Tank‐top』をリリースした。プレイリストで事足りる時代にあえて僕らはCDでベスト盤を出す。「普通はレーベル側から提案されるとか、そういった感じの理由で出すじゃないですか。でもサブスク全盛の今、ベスト盤の存在意義って正直なくなりつつあって。レーベルも『ベストアルバムを出そう!』と積極的には思わないんですよ。…やけど出す。そこに強い気持ちがあるんです」(こやまたくや・Gt/Vo)今作のために作った新曲「BEST」にこんなフレーズがある。〈プレイリストで事足りるよプレイリストで事足りるのにさ…あえてCDで出す〉。ここに彼らのユニークさと、ロックバンドとしてのアイデンティティを感じる。「ベストアルバムに入れる新曲って、今まで温めていたとっておきの曲とか、未解禁やった曲とか。ベストやから10年間のことについて歌うとか、これまでの楽曲の歌詞をちりばめた集大成的な楽曲とか。様々なやり方があると思うんですけど、“ベストアルバムそのもの”について歌いました(笑)」(こやま)これまで多種多様な曲を発表してきた彼らに、特に思い入れの強い一曲を聞いた。「『かわE』ですね。映画『ニセコイ』の主題歌なんですけど、それまでラブソングっぽい曲がヤバTにはなくて。こやまさんもラブコメを書けるような性格ではないので、最初はかなり困っていて。実は『かわE』の前身となった曲があったんです。楽器のレコーディングが終わり、ボーカルレコーディングをしてる途中で、こやまさんが『あかん、これは歌われへん』って。提出期限が迫っている中で『すぐに新しい曲を作るから、これはボツにしたい』と言って、レーベルの人に怒られながらできたのが今の『かわE』。いざ完成したらみんな大納得で、お客さんにも人気の曲なので思い入れが強いです」(ありぼぼ・Ba/Vo)「僕は『NO MONEY DANCE』です。コロナ禍で収入がない月があって、ヤバイと思いつつ『もう笑い飛ばすしかない!』みたいな心境で書いたんですよ。いつかお客さんとみんなで歌える曲にしようと思って、普段よりもコール&レスポンスもたくさん盛り込みました。リリースから3年が経ち、やっとお客さんも声が出せるようになり、もみくちゃのライブハウスでこの曲を演奏できるようになった時は、ようやくこの曲が完成した、と思えて感慨深かったですね」(こやま)「一時期はコロナの影響で、騒がしくてテンポの速い音楽性のバンドが、どうしても元気がなくなっていたんですね。『それでもロックバンドとして、うるさくて速い音楽をやっていこう』というメッセージを込めたのが『dabscription』。また違ったヤバTの一面を見られる楽曲です」(もりもりもと・Dr/Cho)楽曲「BEST」の歌詞〈再評価されたい〉にちなんで、再評価されたいと思う過去の楽曲もそれぞれに教えてもらった。「『かわE』とか『癒着NIGHT』とか昔の曲も、まだまだバズリ代(しろ)があると思います。『ハッピーウェディング前ソング』も、もう一回バズってもいいっすね」(こやま)「『泡 Our Music』です。発売当初はコロナ禍に入ったタイミングで、シングルでは一番売れなかったんです。ただ、すごく勢いのある楽曲なので、ライブハウスの活気が戻ってきた今、やっとこの曲が本領発揮できてます」(ありぼぼ)「ヤバT史上、一番壮大なメロディの『肩 have a good day‐2018ver.‐』。僕らの新境地を感じられると思うので、『ライブで観たらどんな感じだろう?』と想像も膨らませてもらいたいです」(もりもと)10年という節目を迎えたことを、3人はどう感じているのだろう?「結成当初は『やっていけるかな?』と不安になることがありましたが、今はすごくいい関係で。初の全都道府県ツアー中なんですけど、オフの日があればメンバーに遊びに誘われます。10年経ってこれなら、まだまだ安泰ですね(笑)」(もりもと)「四星球とか周りの先輩には『もう10年!?』と驚かれるんですけど、そう意外に感じられることがいいなと思っていて。私たちは、バンド名的にも楽曲的にも“フレッシュさ”が大事な気がするんです。そこの意外性は大事やなって」(ありぼぼ)「そうやね。いつまでも若さと勢いがあるように見られたいので、10周年は取り下げます!今後は『6年目っす』って嘘つきます」(こやま)ベストアルバム『BEST of the Tank‐top』。新曲「BEST」を含む全27曲収録。【完全生産限定盤(CD+BD+バスタオル)】¥8,500【初回限定盤(CD+BD)】¥4,800【通常盤(CD)】¥3,000(UNIVERSAL SIGMA)やばいてぃーしゃつやさん左から、もりもりもと(Dr/Cho)、こやまたくや(Gt/Vo)、ありぼぼ(Ba/Vo)。結成10周年を記念して、全57公演に及ぶ初めての全都道府県ツアーを来年3月まで開催中。※『anan』2023年12月6日号より。写真・土佐麻理子取材、文・真貝 聡(by anan編集部)
2023年12月03日かけがえのない少年2人の友情と、彼らを襲う過酷な運命。宮内悠介さんの新作『ラウリ・クースクを探して』はラストに胸が熱くなる物語だ。プログラミングの秀才少年2人。時代に翻弄される友情のゆくえ。「今回はストレートな友情の物語です。私は幼少期にアメリカにいたのですが、書きながら当時の友人の顔を思い浮かべることもありました」1977年、ソ連占領下のエストニアに生まれたラウリは少年時代からコンピューター・プログラミングの才能を開花させる。モスクワの研究所入所を夢見て進学した学校で出会ったのは、レニングラードから来た秀才少年、イヴァンだ。宮内さんも小学生の頃からプログラミングに夢中だったという。「ラウリにモデルはなく、強いて言うなら自分です。彼らがMSXというコンピューターでゲームを作る様子は、自分の体験を重ねています。ただ、自分に近い年齢でも場所が変われば激動の歴史を生きることになってしまうのは不思議な思いです」彼らが友情を深める様子がキラキラしていて眩しい。しかしソ連が崩壊、二人は離れ離れとなり、ラウリは夢も絶たれる。そして…。ソ連にも自国にも肩入れできずに心揺れるラウリの心情がリアル。「彼は何者でもない。誰もが勇敢に一貫した意見を言えるわけでもなく、誰もが正義や答えを出せるわけでもない。簡単な答えなどどこにもない。それでも人間は生きていける。そんな思いを込めました」本作はエストニア、コンピューターの近現代史としても味わい深い。「実はこの話の出発点はMSXです。私も小学生の頃使っていました。旧ソ連は輸出規制によって高精度のコンピューターを輸入できず、日本で作られた8ビットの低スペックのMSXを教育用に導入したのです」エストニアは現在IT先進国としても有名で、その様子も描かれる。「コンピューターとは人類にとって何なのかという問いを含ませました。現在のエストニアの姿は、未来の私たちの姿かもしれません」ところで、作中ラウリが同級生たちのために教本を作る場面が印象的。「私もアメリカの小学校に通っていた頃、授業で周りが分数の概念を理解できずにいたので、『ユウスケの分数の本』を作ったことがあります。好評で学校の図書館に一部寄贈されました。それが私の一つの成功体験になっています(笑)」『ラウリ・クースクを探して』幼少期にプログラミングの才能を開花させたものの、歴史に翻弄され、現在消息不明のラウリ・クースク。彼のたどった人生とは。朝日新聞出版1760円みやうち・ゆうすけ2012年、単行本デビュー作『盤上の夜』で日本SF大賞、’17年『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で三島由紀夫賞受賞。ほか受賞作多数。※『anan』2023年9月20日号より。写真・土佐麻理子(宮内さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年09月19日これまでに発表した2作で文学賞5冠を果たしエンタメ時代小説の新星として注目される蝉谷めぐ実さん。待望の新作『化け者手本』は、デビュー作『化け者心中』に続き、文政の江戸で鳥屋の藤九郎と稀代の元女形・魚之助(ととのすけ)が怪事件に挑む内容。鳥屋と元役者のバディが謎を解く。歌舞伎に材をとるエンタメ時代小説。「『化け者心中』は新人賞に応募するために書いたので続編は考えていませんでした。でも選考委員の辻村深月さんが“シリーズ化を期待”と書いてくださり、読者の方々も“二人のその後が気になる”との声をくださいまして。私も書かせていただけるならぜひという気持ちでした」前作で紆余曲折の末、バディ関係が育まれた藤九郎と魚之助。今回二人に持ち込まれた事件は、芝居がはねた後、客席で首が折られ両耳から棒が突き出た死体が見つかるという不気味な見立て殺人事件。これは鬼の仕業なのか――。「前作と同じく鬼が存在する世界という前提で謎を作りました。今回は従来のミステリーとは少し違う角度から突いてみたいなと思いました」調査の過程で被害者の死を嘆き悲しむ人を騙してでも情報を得ようとする魚之助に、心優しい藤九郎は反発をおぼえる。「前作の最後で二人はうまくいったように見えますが、読み返して、“そううまくいくかな”とちゃぶ台をひっくり返したくなりました(笑)。謎解きに集中してしまうと人の感情をないがしろにするような、探偵の人間性の問題も書きたかった。それは芸道にも通じるなと思って。役者も、芸に秀でていれば倫理観がちょっと外れていても許されるところがある。それともうひとつ、恋というものも、思いをとげるために倫理観を置き去りにするところがあるなと思い、それらが全部絡んでくる話になりました」さらには歌舞伎の演目を通し、実在した人物を物語化する際の倫理問題も突きつける話になっている。「魚之助にはモデルとなった実在の役者がいますし、私自身、現実にいた人を面白おかしく書いている部分は否めません。本人はどう思うのだろうと考えたこともありました。なので今回は執筆する際、静岡県に行って、作中に登場する人物のお墓参りをして“すみません”と拝んできました」本作を読めば、誰のお墓を訪ねたのかわかります。蝉谷めぐ実『化け者手本』文政の江戸。鳥屋の藤九郎と元女形の魚之助は、芝居小屋の客席で奇妙な死体が見つかった事件の調査を始める。やがて第二の事件が…。KADOKAWA1980円せみたに・めぐみ’20年『化け者心中』で小説野性時代新人賞を受賞しデビュー。同作で日本歴史時代作家協会賞新人賞、中山義秀文学賞、『おんなの女房』で野村胡堂文学賞、吉川英治文学新人賞受賞。※『anan』2023年9月6日号より。写真・土佐麻理子(蝉谷さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年09月04日お笑いコンビ・土佐兄弟が10月1日に開催する「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023」の出演者ラインナップとタイムテーブルが31日、発表された。昨年豪華出演者も出演し大盛況で終わった「土佐兄弟の青春文化祭2022」がパワーアップして帰ってくる。公演タイトルは「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023」に決定。会場は今年の春オープンしたばかりの「Zepp Shinjuku」。Zepp Shinjukuで芸人が主催するイベントを行うのは本公演が初となる。そして今回は出演者ラインナップ、タイムテーブルも同時に公開。ゲストは土佐兄弟と親交のあるメンバーで構成しており、個性的な楽曲が持ち味で10月から全国のライブハウスを巡るツアーも行う岡崎体育。第64回日本レコード大賞にて優秀作品賞を受賞した「恋だろ」がストリーミング累計1億回再生を突破したwacci。デビューわずか1年で豊洲PITやなんばHatchで超満員のライブを行うアイドルグループFRUITS ZIPPERと豪華アーティストゲストに加え、土佐兄弟とレギュラー共演もしていたSNS総フォロワー数430万人超えの人気インフルエンサーねお。人気実力ともに定評のある芸人のクールポコ、ちゃんぴおんず、ぱーてぃーちゃん、四千頭身とともに、笑いあり、音楽ありの“文化祭”を繰り広げる。土佐兄弟のコメントは以下の通り。■卓也みなさん、今年もこの季節がきました!最高すぎるフェス、ぶちアゲ文化祭!!豪華メンツと確定でぶちアガりましょう!!絶対に思い出作りましょう!!てかこんな最高メンツが集まってくれるの、なぁぜなぁぜ??いえーい!!!!ぶちアゲーーー!!!■有輝去年を超えます。そして事件が起こります。現場でぜひ目撃者になってください。そして一言言わさせてください。いえーい!!!ぶちアゲーーー!!!
2023年07月31日昨年「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さん。待望の新作『いい子のあくび』の表題作は、2019年の作家デビュー直後から何度も改稿を重ねてきた作品だという。「ようやく本になってすごく嬉しいです」と高瀬さんが語る本作の主人公は、人より先に気がつくタイプで、公私ともに“いい子”と思われている会社員の直子。でも、彼女の心の中では、損な役ばかり回ってくることに対しての鬱憤がたまっていて…。「最初は主人公=私のつもりで日常の話を書いていたんですが、改稿を重ねていくうちに、直子がどんどん自分から離れて、ヤバい奴になりました(笑)」と言うように、冒頭で直子は、スマホを見ながら自転車を漕ぐ中学生を見て許せない気持ちになり、あえて自らぶつかり小さな事故を起こす。「ヤバい奴とは思いますが私は直子が好きです。私もルールを守りがちなタイプで、ルールを破る人に対し“羨ましい”と“ずるい”が合体した気持ちがあります。なのでスマホを見ながら移動している人にイラッとする攻撃性もありますが、まっとうな人間でいたいのでぶつかることはしないです(笑)。小説の中で直子にそれを託したのかもしれません」この事故がやがて、奇妙な展開を招くことに…。一方、同僚や恋人の前でも“いい子”として振る舞う直子の日常も描かれ、「歯がゆいけど分からなくもない」と感じる人も多いのでは。ただ彼女、友人によって態度を変える点は結構あからさま。「私も友人によって話題を選ぶことはありますが、直子はそれだけでなく、相手が求める反応をしようとしている。“いい子”といっても、“都合のいい子”かもしれませんね」そんな彼女が“割に合わなさ”に耐えられなくなり、起こした行動の顛末とは?他に職場の上下関係の裏の心理を描く「お供え」と、結婚式嫌いなのに友人の式に招待された主人公を描く「末永い幸せ」を収録。「会社の先輩や友達に“本当はこう思っていたの?”と誤解されるのが怖い2編です(笑)。お世話になった先輩に誤解を与える前に話せるよう、近々ランチの約束をしています」著者本人の本音だと思われかねないほど、現代女性のモヤモヤがリアルに描かれた作品集なのだ。ぜひ。『いい子のあくび』職場では誰より先に備品を補充、友人には話題を合わせ、恋人にも“いい子”と言われる直子。でも“割に合わなさ”への不満は募って…。集英社1760円たかせ・じゅんこ2019年に「犬のかたちをしているもの」ですばる文学賞を受賞。’22年に「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞受賞。他の著作に『水たまりで息をする』など。※『anan』2023年8月2日号より。写真・土佐麻理子(高瀬さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年07月30日圧巻の描写が五感を揺さぶる。〈体〉をめぐる怪奇短編集。小田雅久仁『禍(わざわい)』。怪奇短編集と見出しでくくってはみたものの、正直、本書を正確に言い当てているとは言いがたい。本を食べて異世界を共有することに耽溺する人が出てきたり、目や視線に神経症的な苦手意識を持つ男があちらの世界へ迷い込んだり…。読むそばから見たこともない世界が現れ、驚嘆すること間違いなし!所収された「耳もぐり」は小田雅久仁さんがデビュー後に初めて手がけた短編で、失踪した恋人を追って彼女のアパートを訪ねた〈私〉が、隣人から奇妙な秘技を語られる話だ。2011年に『小説新潮』で発表したその作品を皮切りに、約10年をかけて書き上げた7編。まるで、体の一部をモチーフにした、奇譚のカレイドスコープだ。「構想のきっかけは昔すぎてよく思い出せないのですが、たぶん誰かの中に入り込んでしまう話を書きたかったのかな。他者の意識の中に流れ込むのではSF的になってしまうなあと思ったので、特別な手の形を作って耳から体ごと入っていけるというアナログさにこだわりました。本書を宣伝するにあたって、『耳もぐり』を先行コミカライズしていただいたんです。画になった手の表現がものすごくて、こうきたか、と。僕も楽しませてもらっています」いちばんおどろおどろしく、肝が冷えるのは「髪禍」だろう。ある宗教団体の儀式にサクラとして参加すれば〈一泊二日の仕事で、十万円〉と誘われた女性。彼女の目に映った光景のホラー度が、ハンパない。「僕も床に落ちた髪の毛に生理的な嫌悪感があるので、生々しい感覚を反映させようとがんばりました」他者と関わることで自分の体に変異が置き、自分以外の意識と接続してしまう展開が多い。「一体化したり融合したりはイヤなのですが、もうすぐ自分をやって50年になるんですよね。それだけずっとやっているわけですから、もう飽きちゃっているんですよね、自分に(笑)。いい加減、自分が退屈でしかたないから、他の人の頭の中や生活を覗いてみたいというのは半ば本心です。基本的に“あり得ないこと”を書いているので、それがあり得るかのように、誰よりもまず自分自身を納得させなくてはいけない。そのせいでどうしても饒舌な文章になってしまうのですが、言葉を尽くすことで、読者にも臨場感を味わってもらえるのでは、とも思っています」そんな小田さんの考える「怖いもの」とは何かとうかがってみた。「目や視線に苦手意識を持つ男の話『喪色記』に出てくる不思議な石や大きな化け物は、いわば典型的なファンタジー作品でよく見る要素ですし、『裸婦と裸夫』で描いた電車内での混乱ぶりは、ゾンビもののバリエーションともいえるかも。怪奇について影響を受けたこれといった作家や作品があるというより、すでに広く共有されている奇妙なイメージを自分なりにどう料理するかの挑戦なんですよね。僕自身が怖いと思うのは、幽霊のような観念的なものではなくて、たとえば何か病気にかかって自分の意思とは関係なく体や脳の一部がどうにもならなくなっていくような現実的なことですね」小田雅久仁『禍(わざわい)』早くも韓国と台湾での翻訳版刊行が決定。所収の「耳もぐり」はコミカライズされ、WEBマンガサイト「くらげバンチ」で連載されている。新潮社1870円おだ・まさくに作家。1974年、宮城県生まれ。2009年に「増大派に告ぐ」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。『残月記』で吉川英治文学新人賞、日本SF大賞受賞。※『anan』2023年7月26日号より。写真・土佐麻理子(小田さん)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年07月24日ウォルト・ディズニーが自身のスタジオを設立してから今年で100年!100周年を記念した、今年しか買えないスペシャルなグッズも多数登場しています。今だからこその逸品を手に入れよう!今年だけのセレブレーショングッズで、特別な一年をお祝い。多彩なグッズの数々も、ディズニー作品の楽しみを盛り上げてくれる大切な存在。今年はそれがさらにパワーアップ。今回の「ディズニー100」グッズならではの試み、こだわりについて、ディズニーでプロダクトデザインを手がける内野雄介さんにお話をうかがった。まずは、100周年記念グッズのテーマカラーについて。「全体を通したキーカラーとなっているのがプラチナカラーで、そこに、“時代を映す鏡”という意味合いを込めたファセット(宝石などのカット面)、プリズムなどのイメージも取り入れています。箔押しをしたりチャームを付けたりと、さまざまなディテールでD100らしさを表現するようにしていて、ちょっと高級なものも今年だから挑戦していたり、皆さんの記念となるような商品を意識しています」また、それぞれのグッズに使用するビジュアル選びにもこだわりが。「時代により異なる、バリエーション豊かなキャラクタービジュアルを取り入れ、100年の歴史を感じられるようなものに。クラシックな絵柄を今っぽいアイテムやカラー、素材に落とし込んだりして、過去を懐かしむものではなく、これからの時代も見据えた商品デザインにチャレンジしています」また、ディズニーグッズには、全体を通して大切にしてきた指標がある。「“コンセプト・ファースト、ストーリー・イズ・キング”です。それは、この商品が誰のためのものなのか考えてデザインすること、作品の物語を尊重するということ。キャラクターをただ物にのせるだけ、ということは決してしません。例えば、ミニマルな生活をしている人をターゲットにするならば、キャラクターを象徴する色だけで表現してみたり、手に取ってもらう人を想像しながら作っているんです。購入した人が思わず語りたくなるようなデザインを目指しています」シュタイフ社製の特別なオズワルド。テディベアで知られるドイツの歴史あるぬいぐるみブランドから、しあわせうさぎのオズワルドが登場。オズワルドは、ミッキーマウスより前の1927年に誕生したキャラクター。ボディはモヘア、顔とパンツはベルベット製で、上品な光沢のある優しい風合い。H33cm。D100 オズワルド¥99,000(シュタイフ/シュタイフ青山 TEL:03・3404・1880)ちょっとレトロなキャラクターがスマホの可愛いアクセントに。透明のフィルム部分をスマホとケースの間に挟んで使うショルダータイプのストラップホルダー。描き下ろしのコミック風アートワークを採用した、どこか懐かしさのあるビジュアル。ミッキー&ミニー、チップ&デール 各¥2,200(イングレム TEL:03・6228・3461)見るたびにさまざまな表情が楽しめるスタチュー。マレーシア王室御用達の鋳物ブランドによる限定コレクション。高級感ある佇まいが、インテリアもランクアップさせてくれる逸品。それぞれ世界限定1000体。くまのプーさん、ティンカー・ベル 各¥55,000(ロイヤルセランゴール TEL:0120・937・679)キラッと輝くシルバーの、スペシャルなデイバッグ。100周年のロゴの刺繍がポイントとなった「DISNEY100デイバッグ」。インパクトのあるシルバーカラーは、存在感たっぷり!Disney100 THE MARKET限定商品。W310×H420×マチ130mm。¥8,580(マリモクラフト TEL:03・3877・1241)プラチナカラーと優しい表情が、絶妙にマッチ。プラチナカラーが新鮮なミッキーマウスのぬいぐるみは、お出かけにも連れていきやすい手のひらサイズ。無邪気な表情は見ているだけでホッと和みます。ミニーマウスやドナルドダック、くまのプーさんなどもあり。¥2,750(タカラトミーアーツ TEL:0570・041173)掲載商品はすべて、8月9日(水)~21日(月)日本橋三越本店7階催物会場にて開催の「Disney100 THE MARKET in 日本橋三越本店」で販売されます。©2023 Disney※『anan』2023年7月26日号より。写真・土佐麻理子(by anan編集部)
2023年07月22日辻村深月さんによる新作長編『この夏の星を見る』をご紹介します。「コロナ禍で行動が制限された頃、子どもの活動に対して、“失われた”という言葉が頻繁に使われることに違和感がありました。部活や修学旅行が中止になっても、そこで過ごした時間や思い自体は確かにあったはず。それを何もなかったもののように大人が断じるのはどうなのか、と。その抵抗感が、この小説を書く原動力になったと、今は思っています」と、辻村深月さん。新作長編『この夏の星を見る』は茨城、東京、長崎の五島列島に住む少年少女たちを描く2020年の物語。もともとコロナ禍前に“青春小説を書いてほしい”との依頼を受け、漠然と部活ものを書こうと考えていたという。「連載時期が近づいた頃に感染症が広まって。今の子どもたちの話を今の読者に届けると考えた時コロナ禍を入れない選択肢はなかったです」茨城県の高校2年生、天文部の亜紗(あさ)は部活動が制限されて悩んでいる。東京・渋谷区の公立中学に進学した真宙(まひろ)は、自分が学年唯一の男子生徒だと知ってショックを受けている。五島列島に住む高校3年生の円華(まどか)は、実家の旅館が他県の客を泊めていることで周囲から距離を置かれ落ち込んでいる――。そんな彼らが、“星を見る”ことで繋がっていく。「天文部の話にしようと決めてすぐタイトルが浮かびました。それで漠然と、地方の子や都会の子が、空を見上げることで繋がるというコンセプトができました」五島列島は星がきれいに見える場所、東京は星が見えにくそうで実は見える場所として選んだ。茨城県を選んだのには意外な理由が。「以前、偶然テレビ番組の『ナニコレ珍百景』を見ていたら、茨城県の地学部の活動が紹介されていて。彼らが自分たちで望遠鏡を組み立てて星を観測していると知って、そんなことができるんだと驚きました」意外な経緯で繋がった亜紗たちはリモート会議を重ね、それぞれ自作した望遠鏡で各地から星を観測する「スターキャッチコンテスト」を開催しようと試みる。「私もリモートで天文部のみなさんに取材したのですが、今の10代の子たちはしなやかで軽やかだという印象で。先生も生徒の自主性に任せていて、信頼関係を感じました。今回はそうした、“今”の子どもたちの姿を書けたかなと思っています」生徒たちはやりとりを重ねるうち、感染状況の違いや長崎への原爆投下など、互いの土地への理解を深めていく。人間関係の機微やコロナ禍に対する思いなど、繊細な感情を浮かび上がらせて突き刺さる場面がたくさんある。その中で伝わってくるのは、「好きなことを大事にしよう」というメッセージ。「何かに打ち込む子どもに対し“それが何の役に立つのか”“将来プロになれるのか”などと言う人っていますよね。私は“向いていないけれど好き”とか“ただ楽しいからやる”ことって、大人になってからも自分を支えてくれると思う。意味がないことに意味があるんだって、ちゃんと書いておきたかった」自分の心の中の小さな星が見つかるような、優しい青春小説である。辻村深月『この夏の星を見る』天文部に所属する高校生、亜紗は感染症の影響で夏の合宿が中止になり落胆する。しかし意外な経緯で、東京の中学生、長崎の高校生と出会うことに。KADOKAWA2090円スピンオフ短編を収録!辻村さんのガイドブック『Another side of 辻村深月』今年3月に刊行された本書に収録された書き下ろし短編「薄明の流れ星」は『この夏の星を見る』のスピンオフ。「例のテレビ番組で見た茨城県の高校は、共学なのに男子生徒が一人もいない学校だったんです。その時、もし男子が一人だけ入学してきたら、どんな子なんだろうと想像しました」ということから生まれた、あのキャラクターが主人公。この短編を書いてから本編の推敲に取り掛かったことで、作品世界がより広がったと辻村さん。これまで発表した全作品の解説インタビュー、宮部みゆきさんや伊坂幸太郎さんとの特別対談、各氏による論考、単行本未収録短編、過去の他媒体での対談記事の再掲載など盛りだくさんの内容。辻村さんの創作の裏側が分かります。KADOKAWA1870円つじむら・みづき2004年「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。’11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、’12年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞、’18年『かがみの孤城』で本屋大賞1位。他の著書に『傲慢と善良』『噓つきジェンガ』など。※『anan』2023年7月12日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年07月10日おっとりとした雰囲気が印象的な石川紅奈さん。ウッドベースを弾きながら歌うと、色香漂うグルーヴ感と透明感のある歌声で聴く者を魅了する。ジャズ・シーンに新風を吹き込む、注目のアーティストだ。「高校1年生の夏に学校のジャズバンド部でウッドベースに出合いました。大きな楽器なので自分で鳴らせるのか不安でしたが、触っているうちに馴染んできて、音が鳴るときに体に響く感じがすごくいいなって」その後、高校3年時に国立音大のオープンキャンパスでピアニストの小曽根真さんに演奏を聴いてもらったことをきっかけに音楽の道を志す。「小曽根さんがリズム感を褒めてくださったことは、私が音大に進学する勇気になりました。もともと歌うことも好きだったので、卒業後はベースを弾きながら歌い始めました」丸の内コットンクラブに出演した際に「オフ・ザ・ウォール」(マイケル・ジャクソンのカバー)を弾き語った映像をYouTubeで公開すると、海外からも絶賛コメントが寄せられた。「あの曲がベースになることは確かになかなか想像しないアレンジかも。私のルーツはジャズだけじゃないので、カバーをするときもいろんな要素を組み合わせたら楽しいなと思っています」ジャズの名門ヴァーヴ・レーベルからリリースされるデビュー作『Kurena』。今作にはカバー曲の他、オリジナル曲も収録されており、作編曲家としてのポテンシャルも発揮する。「普段から生き物のドキュメンタリーを見るのが好きで、『シー・ワスプ』はクラゲが泳ぐ動画を見ながら書いたものです。『No One Knows』は日本で働くベトナム人女性たちの実話をもとに作られた映画『海辺の彼女たち』を観たことをきっかけに書きました。日常を過ごす中で心に響くものを曲にすることが多いです」華麗なるジャズの音色を、ドキッとするような感性と大胆なアレンジで奏でながら、ソロとしてのキャリアを踏み出した。そんな彼女の制作の息抜きはドライブなのだとか。「大きな楽器を運ぶので普段から車移動なのですが、運転が好きなので、時間があるとよくドライブしています。都内から長野や静岡くらいまで、すぐに行っちゃいますよ(笑)」1st mini Album『Kurena』。ベース&ボーカルのスタイルでジャズの魅力を大胆かつフレッシュに奏でる。スティーヴィー・ワンダーやチック・コリアのカバーも収録。¥2,530(ユニバーサル ミュージック)いしかわ・くれな高校時代にウッドベースを始め、在学中にピアニストの小曽根真氏に見出され、国立音楽大学ジャズ専修に入学。卒業後はソロのほか、音楽ユニットsorayaのメンバーとしても活動中。※『anan』2023年4月5日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・宮崎 睦取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2023年04月03日一昨年、コロナ禍の中、渋谷・シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキさんの総合演出により開催された『シブヤデアイマショウ』。“大人の歌謡祭”と称し、演劇のみならず、歌に踊り、笑いと、さまざまな企画を詰め込んだエンターテインメントショーの第2弾が、長期休館を目前にした同劇場で開催される。歌にダンスに笑いと盛りだくさん。渋谷の劇場で松尾式レビューが開催。「そもそも芸術監督を引き受けるにあたってやりたいと思っていた柱のひとつに、ストーリーを排して純粋に楽しむためのショーができないかというのがありました。以前、公演でパリに行った時に向こうでいくつかのショーを観たんですが、既成の曲にダンスやプロジェクションマッピングと演出だけで魅せていて、こういうものって日本にないなと思ったんですね。すごく洗練されていて、ゴージャス感もあるし。舞台上につねに音楽が鳴っていて、ダンスがあってっていうのは、もともと僕の好みの世界観ではあるんです。今より小さい劇場でやっていた頃から僕の芝居には、急に歌とダンスが始まってレビューみたいになるところがなぜかあって。それは赤塚不二夫さんの漫画を読んで育った、というのがあるのかもしれないんですが。そういう好きな部分だけを抽出して、全部並べてみたらどうか、という実験的な意味合いもあったと思います」「バラエティに富んだものに」とコーナー演出には、歌舞伎を題材とした現代劇の演出を手がけている杉原邦生さんの名前も。また、日替わりゲストには、新妻聖子さんのような本格ミュージカルで活躍する俳優陣がこぞって参加。普段の松尾作品からは異色とも思える顔ぶれが並ぶ。「要素のひとつに“和”を取り入れようと思ったのが杉原くんにお願いした理由です。ミュージカルの方々とはあまりお付き合いがなかったのですが、歌やダンスのスキルというか、クオリティの高さは認めざるをえないんです。これまで、そういうものにわりと反逆的というか、素人の肉体をぶつけることであえて違和感を作り出してきた劇団なわけです。でも続けていると、結局俳優にスキルがないと、100%こちらが思い描いたようにはやれないということが、30年くらいかけてじんわりわかり始めてきた感じです」2年前の公演を経て、アンサンブルと呼ばれるキャストへの信頼が増し、役割の比重が大きくなったとも。「アンサンブルもそれぞれに個性があって、得意分野が違う。今回は、それを生かしたものを作りたいというか、アンサンブルが結構前面に立って頑張っていますから、彼らの公演でもあるといえますね」ただ、詳しい内容は「言いたくても言えない部分が多い」とのこと。「なんで言えないかも言えないんですが(笑)、日頃めったに見られない生のダンスや歌で綴る、面白いショーになるはず。この公演後、劇場が長期休館に入ることもあり、最後を飾るお祭り騒ぎにしたいと思っています。地方出身で30年以上東京に住んでも都会の祭りへの参加の仕方がわからない。なら自分で祭りを作る、みたいなところもあります」ところで、休館中の芸術監督は?「芸術監督を受ける際、演劇の場で活躍できる新人を育てたいという要望も出していました。つまり養成所です。最近、演劇で演出家の名前が入ってくることはあっても、『面白い俳優が出てきた』という話をあまり聞かなくて。それが僕は本当に悔しいんです。今から僕がやってできるかわからないけれど、育てる努力はしたい。なので、その活動をやっていこうと思っています」いまや映像でも活躍し、映画監督も務めたり、作家としても評価されているが、「演劇で認められて演劇に育てられましたから、恩返しのひとつもしたくなります」と話す。「どんな舞台に出ても、作品の世界観や演出を自分の体や声と融合させながら、この人だってわかる痕跡を残せる人。そういう身体性への美学が自分の中にはあるし、結局、そういう俳優が好きなんですよね」第二の阿部サダヲさんや荒川良々さんが見つかる日も近いかも!?COCOON PRODUCTION 2023『シブヤデマタアイマショウ』3月30日(木)~4月9日(日)渋谷・Bunkamuraシアターコクーン総合演出/松尾スズキ構成台本/松尾スズキ、天久聖一コーナー演出/杉原邦生、康本雅子、天久聖一出演/松尾スズキ、多部未華子、猫背椿、村杉蝉之介、近藤公園、後東ようこ、康本雅子、秋山菜津子ほか(日替わりゲストあり)S席1万2500円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)まつお・すずき1962年12月15日生まれ、福岡県出身。WOWOWにて3月25日放送・配信のオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分強の女優』では脚本、演出、出演を務めるほか、出演映画『シン・仮面ライダー』が公開中。スーツ¥127,600(BEAMS F)シャツ¥26,400(GUY ROVER)ネクタイ¥18,700(Holliday&Brown)チーフ¥7,480(PAOLO ALBIZZATI)シューズ¥143,000(Enzo Bonafe) 以上BEAMS TEL:03・3470・9393※『anan』2023年3月29日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・安野ともこヘア&メイク・趙 英インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年03月23日「『レターパック』で現金を送れは、すべて詐欺です」日本郵政グループが行っている詐欺犯罪に関する、こんな注意喚起を一度は耳にしたことがあるでしょう。『レターパック』で現金を送ることは郵便法違反です。また、『レターパック』だけでなく、普通郵便、『ゆうパック』でも違法。そのため、見知らぬ人や、身近な人を装った人物から「『ゆうパック』で現金を送って」とお願いされた場合は詐欺犯罪である可能性が高く、決して送付してはいけません。高知県の郵便局、のぼりの内容は?高知県の生産者が作った一品やおいしいものを販売するオンラインショップ『高知かわうそ市場』のTwitterアカウント(@kawausoichiba)が投稿した、1枚の写真をご紹介します。「『レターパック』で現金を送れはすべて詐欺です」をなぞった投稿文が、人々をクスッと笑わせた1枚がこちら。ゆうパックで土佐文旦送れはすべて高知です。 pic.twitter.com/TIc1cQOtKw — 高知かわうそ市場 (@kawausoichiba) March 20, 2023 「ゆうパックで土佐文旦送れ」はすべて高知です」土佐分担とは、グレープフルーツのような柑橘類の果物。昭和初期に高知県土佐市で栽培方法が確立された土佐分担は、上品でさわやか、そして、果肉が大きくプチプチとした食感なのだとか。生産地である土佐市では、「ゆうパックで土佐文旦が送れますよ」と宣伝するほど、発送する機会が多いのでしょう。ちなみに、2023年3月22日現在『高知かわうそ市場』のオンラインショップでは、土佐文旦のシーズンが終わるため、最終セールを行っているそうです。気になった人は、チェックしてみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2023年03月22日ジョルダン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤 俊和、以下「ジョルダン」)は、2月22日(水)より、土佐くろしお鉄道株式会社(本社:高知県四万十市、代表取締役社長:金谷 正文、以下「土佐くろしお鉄道」)が企画・運行する「土佐くろおでかけきっぷ」「ごめん・なはり線観光1日フリーきっぷ」をスマホで買えるモバイルチケットで販売します。「土佐くろおでかけきっぷ」は高知県南西部を走る中村・宿毛線が土日祝日限定で、普通列車が1日乗り放題となるフリーきっぷです。高知の観光には外せない四万十川や足摺岬観光などの人気スポットを巡ることができます。「ごめん・なはり線観光1日フリーきっぷ」は高知県東部を走る、ごめん・なはり線が1日乗り放題となるフリーきっぷです。沿線の観光やグルメなどの特典がセットになった大変お得なきっぷです。オープンデッキを備えた観光車両も人気を集めており、車窓からは雄大な太平洋が一望できます。きっぷ購入のための窓口探しや時間にとらわれることなく、「土佐くろおでかけきっぷ」「ごめん・なはり線観光1日フリーきっぷ」が、キャッシュレスにスマートフォン1つで買えるサービスです。ジョルダンと土佐くろしお鉄道は、今後も安全・安心でより快適な移動ができるよう貢献していきます。■「土佐くろおでかけきっぷ」の概要内容 :中村・宿毛線の普通列車が土日祝日限定で1日乗り放題価格(税込):おとな 500円 こども 300円購入方法 :ジョルダンが運営するアプリ「乗換案内」にて販売※Google PlayまたはApp Storeで「乗換案内」と検索土佐くろおでかけきっぷ■「ごめん・なはり線観光1日フリーきっぷ」の概要内容 :ごめん・なはり線が1日乗り放題※沿線の店舗や施設で様々なおもてなしが受けられる特典付き価格(税込):おとな 1,670円 こども 840円購入方法 :ジョルダンが運営するアプリ「乗換案内」にて販売※Google PlayまたはApp Storeで「乗換案内」と検索ごめん・なはり線観光1日フリーきっぷ(参考)ジョルダンとは…1979年12月に設立したジョルダンは、乗換案内を中心とするソフトウェア開発や携帯コンテンツ事業を軸に、旅行業などのビジネスを展開し組み合わせることで、「移動に関するNo.1 ICTカンパニー」としての地位を確立することを経営戦略として掲げています。ジョルダンの主要サービスである「乗換案内」のスマートフォンアプリは累計4,000万ダウンロードを越え、多くのユーザーの「移動」をサポートしています。また、2018年7月、J MaaS株式会社を設立し、交通サービスのプラットフォームへの参画企業を募るなど、MaaSビジネスを積極的に展開しています。<法人の方からのお問合せ先>営業本部 金子マーケティング部 梶川関西営業部 橋本/下地東京 TEL: 03-5369-4052大阪 TEL: 06-6292-9500E-mail : biz-info@jorudan.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月22日デビュー作がいきなり芥川賞候補となり、大注目の安堂ホセさん。『ジャクソンひとり』は、彼にとってまだ2作目の小説作品だという。「2020年頃、自分の中にある話をどういう形で表現しようかと考えた時、小説にしようと思ったんです」その際執筆した作品は文藝賞の最終選考まで残った。翌年再び応募し、見事受賞を果たしたのが本作だ。「前作は一人称で思い入れを書きすぎたので、もうちょっと自分と距離を置いた、三人称の軽い小説にしようと考えました」主人公はブラックミックスで、ゲイとの噂があるジャクソン。スポーツブランド専用ジムの整体師だ。会社で偶然、彼の服にプリントされたQRコードが読み取られたところ、現れた動画はブラックミックスの男のあられもない姿。ジャクソンが否定しても社内の人々はその男が彼だと信じて疑わない。これは誰かによるリベンジポルノなのか――。「性暴力を扱う時、リアルさが欠けていたほうが読み手もダメージを受けないと思って。それで本人も自分なのか分からない状況にしました」整体師という設定も絶妙だ。「男性がリベンジポルノを受けた時、被害者なのに警戒されて疎外されることがある。他人の体に触る仕事をしている人なら、そのあたりがより見えてくるかなと思いました」その後ジャクソンは、動画の男は自分だと主張する他の3人のブラックミックスの男と出会う。「マイノリティの人が周りを怖れるあまり自分で狭めていた世界が、立場が同じ人と会うことで壊れていく。ポジティブな崩壊を書きたかった」4人が集まった時の会話が脱線していくあたりから、タランティーノ作品的な映像が浮かんだと伝えると、「子どもの頃から観てきた監督です。今観ると描かれる価値観に疑問があるけれど、山場と山場の間のシーンも妥協せずに面白くさせるところとかがよくて。コーエン兄弟の映画も、結構本筋から脱線するじゃないですか(笑)。ああいう感じが好きです」本作もまさにそう。彼らは入れ替わり作戦による復讐を思いつくが、「計画が雑ですよね(笑)」と安堂さん。実際、計画は思わぬ道筋を辿り、やがてラストはとんでもない展開に。「小説って自由に書けるんだと嬉しくなって、はっちゃけました(笑)」オフビート感を漂わせながら、彼らが抱く理不尽さも戸惑いも怒りも盛り込み、“当事者が当事者を描いた”感がひしひしと伝わる本作。「自分と同じ立場の人が読んだ時に寒くない小説にしたかった。当事者以外のことは考えませんでした。当事者以外に届けたいと思ったら媚びた寒い小説になりますから。ただ、刊行した後、“純日本人だけど海外で同じ経験をした”といった、自分が想像もしなかった人からの感想をもらって、勉強になっています」次作も本作と地続きの世界を考えているそう。それはぜひ読みたい!あんどう・ほせ1994年、東京都生まれ。2022年、本作で第59回文藝賞受賞。好きな映画監督はアラン・J・パクラ、ロベール・アンリコ、七里圭、憧れの作家は松浦理英子。安堂ホセ『ジャクソンひとり』リベンジポルノを機に出会ったブラックミックスの青年4人の犯人捜しと、復讐計画の行方は?なんとも痛切で痛快な文藝賞受賞作。河出書房新社1540円※『anan』2023年2月8日号より。写真・土佐麻理子(安堂さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年02月07日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はシンガーソングライターの有華さんです。愛らしさ溢れる恋愛ソングがSNSをきっかけにブレイク。昨年、「Partner」が話題に。そして先日、待望のメジャーデビュー曲「Baby you」をリリース。「歌って踊れるハッピーな曲。楽しい時はもちろん、疲れた時にも聴いてもらえたら。私自身、音楽に助けられてきたので、人に寄り添える曲を届けたいんです」。幼少期から音楽に親しんできたが、メジャーデビューまでの道は決して楽ではなかったと話す。「会社勤めもしましたし、28歳でこんなに初めての経験ができるとは思いもしませんでした。大阪人なので、夢はやっぱり大阪城ホールでのライブ!」この冬はトマト鍋にハマっています。トマトベースのスープで、チーズを入れるとまた美味。〆はリゾットに!ミスタードーナツのやみつきドリンク。氷にしたコーヒーをミルクで溶かす「氷コーヒー」は子供の頃からファン。空を眺めるのが好きなんです。ややエモい系女子っぽいですが(笑)、空を見るのも写真を撮るのも好き。ゆか1994年生まれ。18歳からシンガーソングライターとして活動、「バースデーソング」などで注目を集める。ワンマンツアーを2月3日より開催。詳細はHPにて。※『anan』2023年2月1日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2023年01月31日とんかつ店、ダイニングカフェ、ラーメン店、パン屋さん…。行成薫さんの新作『できたてごはんを君に。』は、とある地方都市で飲食業に関わる人たちの人生ドラマを描く。「以前、ごはんに関わる話を2編小説誌に寄稿した時、ごはんをテーマの短編集を作りましょうという話になって。それで書いた『本日のメニューは。』という本が、宮崎県の書店員さんなどによる宮崎本大賞という賞をいただいたんです。それで、せっかくなのでもう一冊、ごはんをテーマにした短編集を作りましょう、と書いたのが今回の本です」食をテーマにするにしても、なぜ、飲食店を舞台にしたのだろう。「人と人が繋がる話がいいなと考えました。たとえば家庭料理だと家の中で話が閉じてしまう。飲食店の人と客の話のほうが、世界が広がると思いました」今回は先にメニューを決め、そこから物語を考えたという。たとえば、とんかつ店の話では、大女将と客のボクサーとの交流が語られるが、「まず、かつ丼というメニューを候補にした時に、かつ=勝つのゲン担ぎ、というところからボクサーをイメージしました。ボクサーは減量が必要なので、お腹いっぱい食べられない。そこから食べたくても食べられない人にとっての食事の価値、というテーマに繋がっていきました」また、カフェのランチメニューにするカレーのスパイス調合にのめりこむ夫と、幼児の子育てに追われ孤独を募らせる妊娠中の妻の話も。「スパイスの調合と、違う立場同士の人の調合が重なるかな、という発想です。夫は誰かに美味しいものを食べてもらいたい人。妻は子供に食べさせるのが精一杯で、それが美味しいかどうか考える余裕がない人。正反対の二人がどうなるかを考えていきました」とある派遣社員の女性は、贔屓のラーメン店の主人が亡くなり、味を引き継ぐことを決意。しかしレシピが見つからず、味が再現できない。「これは代替のきく人材として働いていく人生に不安を感じていた女性が、オンリーワンの人生を歩むための選択をする話になりました」町のパン屋の長男は小麦アレルギーの少女と出会い、独立して米粉のパン屋を開くつもりが前途多難で…。「取材先の米粉パンのお店の店長のお話を参考にさせてもらいました。自分でも米粉パンを焼いてみましたが、難しくて。作中でも最初は餅みたいなパンになりますが、それは僕の実体験です(笑)」また、各話の合間に挟まれるのは、フードデリバリーのバイト女性のエピソード。彼女は食に興味がない。「とんかつや米粉パンの話もそうですが、今回は食べられない人、食べたくない人も出しました。食は“いいもの”と扱われがちですが、それを楽しめない人だっている。食に価値を感じる人と感じない人をどう繋ぐか、ということもこの本のテーマのひとつでした」それぞれの理解や発見が、人と人の結びつきに繋がっていく。「今回は、未来への願いだったり、希望だったりをこめたつもりです」行成薫『できたてごはんを君に。』名物かつ丼の誕生秘話、脱サラ夫婦のカフェオープン前夜、ラーメンのレシピ探し、米粉パン研究…。魅力的な人物が続々登場のごはん小説。集英社文庫726円ゆきなり・かおる2012年『名も無き世界のエンドロール』(応募時「マチルダ」を改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’21年『本日のメニューは。』で第2回宮崎本大賞受賞。※『anan』2023年1月18日号より。写真・土佐麻理子(行成さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年01月16日小学校時代の担任教師・中山が溺死した知らせを受けて動揺する光は、偶然再会した元同級生・琴葉に「私が先生を殺した」と告げられる。一緒に逃げてほしいと請われ、光は急遽、琴葉と一緒に京都へ。それは19歳となった彼女たちにとって修学旅行のやり直しの旅でもあった…。武田綾乃さんの新作『噓つきなふたり』は、謎の不穏さと旅の楽しさが入り交じる長編小説。修学旅行をやり直す19歳のふたり。それぞれが抱える、嘘と真実とは。京都は武田さんの出身地でもあるわけだが、「それまで数か月に一度は実家に帰っていたのに、コロナ禍で戻れなくなって寂しくて寂しくて。それで、京都が舞台の小説を書こうと思ったのがはじまりでした」その後、都道府県間の移動が可能になってから、地元の友人とふたりで京都巡りをした。「京都に住んでいた頃は、かえって名所巡りをしなかったんです。それで、ネットで京都修学旅行ルートを検索して、あえてベタな観光地巡りを計画し、小説に反映させました」京都タワー、二条城、伏見稲荷、嵯峨嵐山――光と琴葉の旅程に、自分の修学旅行を思い出す人も多いのでは?一方で、琴葉が本当に中山を殺したのかも気になるところ。と同時に、読者は、厳しい母親の言いなりになってきた光も、なにか秘密を抱えていると感じるはず。「光は、自分の人生は親に決められている、だから自分のせいじゃない、と思っている。本当は選べるのに、選ぶことを放棄している子というイメージでした。琴葉は、人を疑う気持ちと人を信じたい気持ちの間で揺れ動いているところがあります。他人から“いい子だね”と言われると、舐められていると感じる子のイメージでした。ふたりとも欠点はあるけれど、それも含めて人間らしくてチャーミングだなと思っています」優等生だった光と、問題児だった琴葉。ふたりの共通点は、小学生時代、子供らしく振る舞うのが苦手だったことと、中山が苦手だったこと。回想シーンで描かれる、独善的な中山の振る舞いが実にもう嫌な感じ!「小学校時代に人気者だった先生でも、大人になって振り返ると、“先生のあの言動って良かったのかな”と思ったりしますよね。それに、悪い人ではないけれど自分とは合わなかった先生もいる。そういうことが書きたいなと考えているうちに、中山先生の“嫌な人エピソード”がどんどん浮かんできて。ノリノリで書きました(笑)」現在パートも過去パートも、とにかく会話がリアル。やがて光と琴葉は“嘘”と向き合い、中山の死の真相も明らかに――。「実は最初イヤミス的な展開を考えていたんです。でも書くうちに、今回はそういう話じゃないな、と気づいて。そこからずいぶん改稿して、また違う読み心地になりました」若い世代の心の揺れを濃密に描くこの物語が、どこに向かうのか。エピローグには胸が熱くなります。『噓つきなふたり』実家を出た後も母親に支配されている19歳の光。偶然再会した元同級生の琴葉に教師殺害を告白され、ふたりは京都へ逃避行する…。KADOKAWA1650円たけだ・あやの2013年に『今日、きみと息をする。』を刊行してデビュー。「響け! ユーフォニアム」シリーズがアニメ化され話題に。’21年『愛されなくても別に』で吉川英治文学新人賞受賞。※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・土佐麻理子(武田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年12月28日2016年、16歳で作家デビューして6年。現在大学院生の青羽悠さんが新作『幾千年の声を聞く』を上梓した。これまでは現実社会を舞台にした作品を発表してきたが、本作はタイトルからも想像できるように、幾千年にもわたる時間の流れの中での、人々の営みを描く壮大な作品だ。「これまで自分の成長段階に合わせた現実社会の話を書いてきましたが、このままでは限界がくるという危機感がありました。今僕に足りないものは“フィクション”を書く力だと考え、一回、制約を設けず自由に書いてみることにしたんです。そうしたら宇宙とか国とか旅とか…大きなテーマが出てきました」舞台は架空の世界。山間にあるその土地には巨大な〈木〉が聳(そび)え立っている。流れ星が落ちた場所に生えたという伝説を持つその〈木〉は、枝の上に街が作られるほど巨大だ。章が進むごとに数百年以上の時が進み、宗教の誕生、科学の進歩、他国との争い、政治的な混乱といった時代の変化が浮かび上がる。各章の主人公も村の少女、学者、旅人などと変わり、ひとりひとりの物語でも十分に読ませるが、全体を通し、彼らの思いや決断が、次の時代に何をもたらしているのかが見えてくる作りも巧みだ。「文明の興亡を考え始めたら自分でも驚くほど話が広がって、僕はこういう話が好きなんだと気づきました。大きな流れの中で状況が移り変わる様子って、物語的な面白さがある。今の社会と地続きの人間関係や人の感情以外の面白さをストーリーに落とし込めた気がします。ただ、人の感情が動いて物語の山場とぶつかるという構造は、これまで書いてきた小説と変わらないと思います。それにもちろん、物語として楽しめるもの、納得のある展開になるよう設計しました。たとえば〈木〉は時代を貫くシンボルですが、後半におやっと思ってもらえたら」巨大な〈木〉には、実は意外な秘密が。さらに、各章の最初のページに掲載された奇妙なデータも気になるところで、終盤に明かされる真実に、はっとさせられる。宗教、権力、科学など時代ごとに人々が何を心の拠りどころにしているかも見えてくる本作。「人々がすがるもの、というのはテーマとしてありました。意図的にしろ無自覚にしろ、時代ごとの“フィクション”に乗っかっている人たちを自分は書きたかったのかもしれない、と最後のほうで気づきました」本作を書いたことで、「ひとつ出し切った」感があるという青羽さん。「今後も、自分にとって身近な世界を書くにしろ、今回のような遠い世界を書くにしろ、読者の感覚を広げてくれるような、強い感情が湧くものを書きたい。それこそが、物語の力かなと思っています」『幾千年の声を聞く』流れ星が落ちた場所に生えたという巨大な〈木〉。やがてその木の上に家が建ち、街ができ、国が生まれ…。人々はどこに導かれるのか?中央公論新社1870円あおば・ゆう2000年生まれ。現在、京都大学大学院在学中。’16年に「星に願いを、そして手を。」で第29回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。著書に『凪に溺れる』『青く滲んだ月の行方』など。※『anan』2022年11月30日号より。写真・土佐麻理子(青羽さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年11月29日8枚目のアルバム『ReLOVE&RePEACE』はコロナ禍で生まれた楽曲を中心に構成され、タイトルにも表れている通り、“再会”が軸になっていると話す高橋優さん。人が生きてることを美化する必要もないと思って「雪の筆跡」を書きました。「再びフェスが開催されるとか、再びツアーができるとか、再び会えるといったことを意識して作った曲が多いなと思いますね」ただ、何を書くべきかわからなくなった時期があったという。「コロナ禍でみんなが何を信じていいのかが曖昧になった気がしました。誰かにとっての希望が誰かにとっては悪になったり、良かれと思って発した言葉が誤解を生んだり。音を奏でるべき方向性がわからなくなったんですが、そのまま『新しい希望が何かわからない』って歌うのがいいんじゃないかと思ったんです」1曲目に収められた激しいギターのカッティングから始まる「あいのうた」では、コロナ禍で感じた矛盾や、困難な時代において鳴らす音楽の意義について歌っている。「半ば突発的に部屋でギターを持って吐き出したような音源を元に作りました。『世界平和を祈って歌うような柄ではないので』という歌詞がまず出てきて。僕はまっすぐにラブ&ピースを歌える人を眩しいと感じるタイプ。戦争していない人類を知らないし、クラス内でいじめもありました。手放しに今の世の中を素晴らしいと歌おうとは思わなかった」特にアルバムに入れたいと強くプッシュしたのが「雪の筆跡」。雄弁なアコギの旋律とともに、市井を生きる人々の生き様を歌った楽曲だ。「レギュラーラジオ番組の中で、手書きの手紙を見る機会があったんです。僕は文字を消した跡が残ってるお手紙が好きなのですが、今は手書きが少なくなったこともあって、綺麗になったものをみんな見ているなあと。あと僕は秋田出身で、雪が降ると白銀世界といわれたりと美しい景色を浮かべることも多いと思うんですが、人間が生活している場所の雪は時間が経つとともに踏まれて汚くなっていく。人間が生きてる証しっていうのは、雪景色でいうと汚しにあるのかなって。人が生きてることを美化する必要もないかなと思って書きました」生々しく社会の今を歌うシンガーソングライターとしての存在感を高める高橋さん。今作から楽曲の作り方に変化があったそう。「これまでは作詞作曲をしてそれを録音するというアナログなデモ作りをしていたんですが、アレンジ部分もできるだけ自分でやろうと思って機材も増やしました。自分の人生が何歳まであるかわからないですが、できるだけ長く伸び伸びと音楽を楽しんでいたいと思っていて。いろんな人と一緒にやることも楽しいと思いますけど、高橋優としてやっていく以上はどこかで曲を聴いてくれる人以外に理解者がいないくらいの気持ちでやっていく方が、自分の足でしっかりと立てるんじゃないかと思ったんですよね」8thアルバム『ReLOVE&RePEACE』。JICA海外協力隊CMソング「Piece」など複数のタイアップ曲含む全12曲収録。【初回限定盤A~C(CD+DVD)】¥4,950【通常盤(CD)】¥3,300(Warner Music Japan)たかはし・ゆう1983年生まれ、秋田県出身。2010年、シングル『素晴らしき日常』でメジャーデビュー。’13年、日本武道館公演を開催。’22年、10周年記念の弾き語りライブを日本武道館で2日間にわたって開催。12月23日から全国ツアーを開始。※『anan』2022年10月12日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・上井大輔(demdem inc.)ヘア&メイク・中込奈々(Octbre.)取材、文・小松香里(by anan編集部)
2022年10月05日