くらし情報『現代社会にはびこる呪いの言葉”に警鐘を鳴らす衝撃作『呪文』』

2015年11月3日 12:00

現代社会にはびこる呪いの言葉”に警鐘を鳴らす衝撃作『呪文』

そう思い込んでいるのは、彼らがある種、密室状態にあるからでは。狭い場所では洗脳されやすいから、間違った価値観でも受け入れてしまう。それはヘイトスピーチに限らず、日本のあちこちで起こっていますよね」

熱狂の波に乗り遅れてしまった霧生は、行き場を失って焦りだす。

「理想を持つことは大事ですが、全体主義的な考えは違う価値観を持つ人を受け入れない。それに、少しずつではなく、一気に社会を変えようとする人たちは強引な手段に出る。だから彼らはその社会にとって無駄な人間を排除しようとする。では、もしその時、自分が無駄な側の人間だったらどうするか、というのも書きたかったことのひとつです」

お前はクズだと言われ、「クズ道というは死ぬことと見つけたり」と言い聞かされた霧生は死を選ぶのか。

「自殺というのは、その人が自分で死を選んでいるのではなく、追い込まれての結果だったりする。
そうした現実も感じてほしかった」

最後には一抹の希望もある。現代に蔓延するさまざまな呪いの言葉に警鐘を鳴らし、示唆を与える一冊だ。

◇寂れゆく商店街の居酒屋の店主が、ネット上でクレーマーを撃退したところ、カリスマ的な人気者に。

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