2016年1月26日 08:00
北方領土返還は今がチャンス? プーチン大統領の実力と思惑
日本との関係では北方領土の問題がありますね。プーチンさんは子供のころから柔道愛好家で親日派。日本といい関係を保ちビジネスを広げたいと考えています。天然ガスを供給するパイプラインを日本に作り、天然ガスを買うことを条件に北方領土返還の可能性も?いずれにせよ、返還交渉はプーチンさんの任期中に進めないと、延々決まらないだろうといわれています。
ところがいま、ロシアは欧米諸国と政治的には対立しているんですね。溝を深めたきっかけのひとつは、一昨年のウクライナのクリミア独立問題。ロシアが軍事侵攻したことから、欧米はロシアに経済制裁をかけました。また、シリアをめぐり、独裁的なアサド政権を支援するロシア vs 反アサド派の欧米という対立も起きています。
日本がロシアと親密になるとアメリカは警戒しますから、返還交渉も慎重に進めないといけません。そんななか、昨年11月にパリでテロが起こり、世界的にまずIS勢力を抑えないといけないということで合意。皮肉な話ですが、アメリカとロシアが共闘態勢にあるいまこそが交渉のチャンス。プーチン大統領の任期は残り2年。この間に北方領土返還が実現するとよいのですが。◇ほり・じゅんジャーナリスト。