2016年6月21日 20:00
豪華共演だけじゃない! ジョディ・フォスター監督『マネーモンスター』の意外性
そこには株の情報操作が行われていたと主張する犯人が、自分が失った財産だけではなく、その暴落で失われた8億ドルをリーの身代金として要求するんですね。そんな大金払えるわけないと思いつつ、ツッコまずにいられないのは、これだけの緊急時に出張中で連絡が取れないというアイビスのCEO。前世紀の経営者じゃあるまいし、飛行機に乗っている間は連絡を絶つ主義とか言われても、そんなのいまどきの企業の危機管理としてありえない。はたして、この株価大暴落の裏に何があるのか。リーたちが、いつその事実に気づいて、どう暴いてくれるのかを息を詰めて見守ることになるんですよ。
あっ、もちろん、爆弾を装着させられたリーが、命の危機から抜け出せるか、もね。軽妙トークが人気の財テク番組司会者らしく、彼が全米の視聴者に呼びかけるある奇策には、その手があったかと驚かずにいられない。おまけに、このトークの内容も視聴者の反応も、人間そんなに悪いもんじゃないねとちょっとした感動を味わわせてくれるんですから。
◇監督/ジョディ・フォスター出演/ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、ドミニク・ウェスト、カトリーナ・バルフほかTOHOシネマズ六本木ほかにて公開中。
※『anan』2016年6月22日号より。文・杉谷伸子
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