2021年12月11日 21:10
夏木マリ「やらせていただくしかない」 舞台『千と千尋』出演を決めたワケ
――舞台は久しぶりとのことですがここまで出演されなかったのは。
たぶん…面白いと思える台本がなかったんでしょうね。私自身がチャームを感じられなかったというか。あとやっぱり、蜷川(幸雄)さんが亡くなられて、一緒にやりたい演出家がいなくなったことも大きいと思います。今回は、役柄自体がチャーミングですからね、やらせていただくしかないという感じです。
――夏木さんが惹かれる作品とは、どういうものなんでしょうか。
今これをやるべきかどうか、ということだと思います。たとえばそれがシェイクスピアだったとしても、今の時代にやるべきだと感じたら選ぶだろうし、どんなに有名な作品でも今じゃないなと思ったらやらない。
それは世の中的な意味でもあるし、私自身がという意味でもあります。
――『おかえりモネ』の出演の決め手はどこだったのでしょうか。
プロデューサーが、これは循環の話だとおっしゃったんですね。雨が山に降って、その水が海に流れて、空に上ってまた山に還る。主人公のモネもまた、土地を巡回することで自分の生き方を発見していく。パンデミックで、みんなが自分を喪失しているときに放送する朝ドラとして意味があると思いました。