くらし情報『民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』』

2022年6月26日 19:40

民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』

柳と同人たちが4回にわたって訪琉した数年後に、美しい島は戦火に見舞われる。本展では戦前に蒐集された染織品や焼き物、漆器が披露されることでも貴重な機会だといえる。おおらかな文様と独特の形を持つ焼き物や漆器のほかに、島ごとに特色のある織物も見所だ。

「絹に型で文様を染めた色鮮やかな紅型(びんがた)が有名ですが、島に自生する苧麻(ちょま)や芭蕉(ばしょう)、絹、木綿、桐板(とんびゃん)など様々な素材を用いた織物があります。八重山諸島なら苧麻の上布で白絣(しろがすり)を、久米島は山繭から取った絹で紬の衣裳が織られていました。明治12年(1879年)まで続いた琉球王国時代には王府が税として島々に織物を納めさせており、その結果、技術が磨かれ、美しい織物がたくさん生まれました」

戦後に工芸の復興に尽力した第二世代の作家たちの作品も注目だ。

「悲しい歴史があって壊滅的な打撃を受けたけれど、沖縄の文化、伝統を継承する動きは今も続いていて島の未来へつながっている。そのことも知ってもらえればと思います」

民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』
紺地鶴亀松竹梅文様紅型風呂敷苧麻、筒描琉球王国時代19世紀110.0×114.0cm

民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』


白地霞に松山枝垂桜雁文様紅型衣裳絹、木綿首里琉球王国時代19世紀部分

民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』


紺地杢糸格子に絣袷衣裳絹、木綿首里琉球王国時代19世紀部分

民藝運動の創始者・柳宗悦が見出した“美”とは? 『復帰50年記念 沖縄の美』


白掛緑黒流抱瓶壺屋琉球王国時代19世紀11.8×20.0cm

『復帰50年記念 沖縄の美』日本民藝館東京都目黒区駒場4‐3‐336月23日(木)

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