2022年9月17日 21:30
岡崎体育「なんでも褒められて、裸の王様になることがいいことではない」
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「新曲」です。
楽曲ができたら、まず誰かにそれを聴いてもらいます。実家に住んでいたころは最初に母親に聴いてもらっていました。なんで友達でも音楽関係の知り合いでもなく母なのかというと、いちばん衒(てら)いのない率直な意見を言ってくれるからです。お茶の間的な一般のリスナー層に近いというところもいい。「分からん」と言われたら、これでは大衆に伝わらないんだ、もっと工夫をしないと、と納得できます。母も楽曲については手厳しいので「このネタ曲は今、歌詞カード見ながら聴いているから分かるけれど、ライブで音だけで聴いたらゴチャついてしまって伝わらないと思う」などクリアにはっきりとした意見をくれるので、本当に参考になっていました。
でも、母に最初に聴いてほしいというのは自分が作った曲を母に褒めてほしいという気持ちが根底にあるからだと思います。僕は一人っ子なので、学校の工作でも一人遊びでも、何かもの作りをしたら母親に見せるというのが小さいころから染みついています。作って見てもらって褒めてもらう。それがうれしいから繰り返す。今もその延長線上にいるんだと思います。