都心の空に巨大な顔を浮かべた仕掛け人! 目[mé]が企画展を開催
彼らが共に活動を始めたのは10年前。大学で知り合った3人だが、当時から既に荒神さんは海外でも活躍するアーティストだった。そんな彼女の才能に南川さんは嫉妬心を抱いていたと語る。ただお互いに興味はあった。ならばクリエイティビティを分配し、力を合わせていい作品を作りたいと目[mé]は結成された。
「とはいえ集団でのモノ作りは上手くいかないことが多い。気持ちのズレを解消するために、3人で月2回ほど、5~6時間かけたメンタルトレーニングを約5年続け、互いを理解するコツを掴んできました。今ではきょうだいのようで周りから見ると少し気持ち悪いかも(笑)」(南川)
そんな彼らが年始に企画展を開催する。
場所は地上229m、360度の景色を眺めることができる会場だ。〈都市の運動から抜け出し「ただ、眺める」。〉がコンセプトの今作は、都市活動の一部になっている鑑賞者がそこから抜け出し、違う視点で街を見ることを提案したものだ。
「会場には渋谷を撮影した写真や映像はありますが、それを説明する文章は一切ありません。“わからない”ことを、わからないままに見せたい。文字よりも感性で見てもらえたらと。ただそこにある風景を、何かに縛られることなく眺められるような機会を作れたらと思っています」