「日本映画界は女性活躍のパイオニアだったと思う」インドの注目監督が語るワケ
パン・ナリン監督
映画制作のみならず、BBCやディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーを手掛けてキャリアを積んできたナリン監督。2022年には、グジャラート州出身者として初めて米アカデミー会員にも選ばれ、いまや国際的な監督となっています。そこで、自身の経験を反映させた本作に込めた思いや映画界に抱いている危機感、そして日本映画の印象などについて、語っていただきました。
―本作はほぼ監督の自伝ということですが、物語はどのようにして構成していったのでしょうか。
監督すべてではないですが、今回は実際に僕に起きた出来事をベースに作りました。なので、お弁当と交換に映画を見せてもらっていたことも、父親がチャイの露店をしていたこともすべて事実。家族や友人から昔の話を聞いて、ネタを集めていきました。
映画のフィルムを盗んで捕まり、少年院に拘留されてしまったエピソードも本当のことですが、インドの大スターであるアミターブ・バッチャンが出演していた作品だったこともあって、近隣の街では当時大騒ぎになったんですよ(笑)。
―まさに映画のような出来事ですね。実話とフィクションの両方を描くうえで、意識したこともありましたか?
監督観客に披露するまでは、「ちゃんとバランスが取れているんだろか?」