くらし情報『詩人・水沢なお、初小説集「〈うみみたい〉という5文字に導かれるようにストーリーができてきた」』

詩人・水沢なお、初小説集「〈うみみたい〉という5文字に導かれるようにストーリーができてきた」

だからこそ、出合えたときには湧き出るものがある。見えていなかった世界が広がるんですね」

うみとみみは同じ美大卒。在学中からその才能で特別な存在だったみみのアトリエに、うみが転がり込む形で同居は始まった。そんなふたりの無二の関係性から、読者もまた自身が抱えてきた感情や価値観を見つめることになる。

「互いが親密になって溶け合っていく感じって、自分が消えていく感覚にも近いような気がして。そうなれるほど大切な人と出会えた喜びの中に、やわらかな孤独も光っている。そういう表裏一体な感覚は書きたかったです」

読者から「みみに幸せになってほしい」という感想をもらい、小説を書く面白さを強く感じたという。

「詩では人物はむしろ曖昧にして読み手ごとの多様な解釈や感情をかき立てるのが書く楽しさかなと思っていたのですが、小説だと作中人物が読者の中にリアルに存在して世界を広げていくことができるんだなと」

うみとみみが互いの違いを認めながら決めたこととは。
かけがえのない美しさに満ちたラストシーンだ。『うみみたい』表題作ほか、何もかもがたまごから生まれたらいいのにと思う女性のひとり語り「スウィミング」など、4つの中短編を収録。

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