妖怪や化け猫が登場する世界へ…大人も夢中になる絵本作家・石黒亜矢子の展覧会が開催
絵本のストーリーテリングでは自由奔放、下ネタまでOKなおおらかさを見せると同時に「絵師」として異彩を放つ石黒さん。この存在感、現在の日本でどう位置付けられる?
「日本美術には曾我蕭白(しょうはく)や歌川国芳、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)といった奇想天外な発想で作品を生み出した鬼才がいますが、石黒さんはその流れを継承する作家ではないかと思います。対象へのゆるぎない愛情とこだわりが作品から立ち上り、清々しいまでに自由。オタク文化や推し活が人びとの心の支えにすらなっている現代日本で、石黒さんの作品に人気が集まるのは、当然すぎるくらい当然のことなのかもしれません」
《どっせい!ねこまたずもう》2018年
新作《化け猫天邪鬼成敗絵図》とんいち2023年
新作《地獄十王図》2022年(部分)
絵本の中の石黒ワールド。
『いもうとかいぎ』では姉の横暴に耐えかねた不思議生物の妹たちが奮起。『えとえとがっせん』は絵本が突然縦開きになり、クライマックスがバーンと出現する楽しさも。
『いもうとかいぎ』(ビリケン出版 2016年)
『えとえとがっせん』(WAVE出版 2016年)
石黒亜矢子展 ばけものぞろぞろ ばけねこぞろぞろ世田谷文学館 2階展示室東京都世田谷区南烏山1‐10‐10開催中~9月3日(日)