若者たちが王様に対してNOの声! タイ「前進党」が大躍進したワケとは
は王太子時代から問題を起こし、即位後もコロナ禍で国民が大変なときに20名の女性とドイツで豪遊していました。
軍はそんな国王を利用し、国王の好きにさせる代わりに、国王に対して不満を唱える分子を「不敬罪」で次々取り締まっていきました。当然、経済は弱くなりますし、独裁的な権力に富が集中します。自由が奪われ、公正さもなく、モラル的にも問題だと若者たちが王様に対してNOの声を上げ始めた。これは大きな変化です。
タイの与党「タイ団結国家建設党」は軍事クーデター後に樹立された政党で、大企業の経営者などが支持しています。これまでの最大野党は、クーデター前のタクシン元首相の派閥の「タイ貢献党」で、低所得者や農村部の人々が支持してきました。5月下旬、前進党やタイ貢献党を含む8党が連立政権樹立に向けて合意。
ただ、タイの国会は上院と下院に分かれており、上院は軍により選ばれた、基本的に与党議員です。下院で野党の数が増えても、上院が承認しないかぎり政権交代はありません。勢力を伸ばした野党を、国家反逆で取り締まるようなことが起きないことを祈るばかりです。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」