恋に友情、家族愛…でも登場するのは全員モンスター!? “優しい世界”を描いたコミック
誰かに淡い恋心を抱いたり、友情を育んだり、家族と過ごす時間を大切にしたり。描かれているのはどこにでもありそうな日常だが、登場するのはすべてモンスターの本作、『月出づる街の人々』。
「こうありたい」が詰まった、モンスターたちのユートピア。
「プロトタイプの短編を描いたのは約10年前。コミティア(自主制作漫画誌展示即売会)で発表しましたが、今、はるみの弟として出てくる飛べないドラキュラが主人公でした」
酢豚ゆうきさんは当時、『宇宙兄弟』の小山宙哉さんのもとでアシスタントをしながら、マンガ家を目指していた。しかしながらプロになるのを断念し、一度は企業に就職。
「それでも趣味で二次創作などをしていたのですが、久しぶりにオリジナルに挑戦しようと思って、現在の第1話を描いたのが2019年。社会人として大変なこともいろいろ経験したので、優しい世界であってほしいなっていう僕自身の願望が、表れているのかもしれません」
モンスターが暮らすのは、ヨーロッパのような石造りの建物と、日本のノスタルジックな雰囲気がミックスされたような街。
透明人間のはるみはさっぱりした性格で、同学年の狼男の毛づくろいに癒されている。