岡本健一「劇場で体感して、ようやくその魅力がわかる」 浦井健治と語るシェイクスピア
それを見て自分もあそこに追いつこうってなるし、無言の教えがいっぱいあるからね。最初の頃、この人たちに役者として認められたい、認められるにはどうしたらいいだろうってすごく考えてた。俺としては、シェイクスピアだとか話がどうとかは置いといて、このすごい俳優さんたちが頑張っていて、それだけでも感動するから観に来たほうがいいよって思ってるくらい。
高尚な劇じゃないよということは言っておきたい。
――数々のシェイクスピア作品を経験してきたおふたりに、あらためてシェイクスピアの面白さを聞いた。
岡本:いつも言うんだけど、シェイクスピアの戯曲って劇場で演じるために書かれてるから、本を読んだだけじゃ面白くないんだよね。人の声を通してようやく面白さがわかる。
浦井:僕もシェイクスピア劇に対して、セリフが難しいってイメージを持っていたんです。
でも、実際にそれぞれのキャラクターを理解して聞くと、そんなこともなくて。
岡本:劇場で体感して、ようやくその魅力がわかるんだと思う。なんでこんな400年も前の作品を日本で上演するんだろうって思うけど、やってみると、今の自分たちとか今の日本の社会とかに通じるものが、そこに書かれていて、そこにちゃんとメッセージがあるんだよね。