やす子「“やす子”は自分のなりたい人間なので、めっちゃ楽しいです」
はい~。
――ネタをやらずに帰る選択はしなかったんですね。
ライブが始まる前にスタッフの方が“暗転板付き”とか用語を教えてくれたりと、どんどん場が進んでいって、順番にやらないといけない空気があって。自衛隊にいたから、上官の命令は絶対じゃないですか。だから断り方がわからないんです。人生における全部においてそうで、マッサージの力が強くて首が取れちゃいそうだと思っても「大丈夫です」と言ったり、エアコンが強いなと思っても言えなかったりするんです。最初のライブは多分、1分くらいで終わったと思います。もともと音楽をするための場所だったので、私の声もお客さんの笑い声も吸収されて、本当に真っ黒の虚無に向かってしゃべっている感じでした。
――その後も続けたのですね。
初めて舞台に出た後、“さぁ、かーえろ!”と思っていたら作家さんのアドバイスを聞かないといけなくて。さらに「来月はこの日だから」と、ライブのスケジュールと手売りしなければいけないチケットを渡されて、上官の命令は絶対なので断れなくて。あと、毎週水曜日にネタ見せがあり、そこで芸人の知り合いができたことも大きいです。でも、「辞めたい」が言えなかったことが一番です。