亀、蛇、ワニ…特殊なペットの病院とは? “エキゾ獣医”の奮闘を描く『珍獣のお医者さん』
飼う人がいれば診る人も必要。特殊なペットの病院とは?二宮香乃さんによる『珍獣のお医者さん』をご紹介します。
世の中には、驚くべき職業がまだまだあるものだ。
「お仕事マンガを描こうと思って、浮かんだ案のひとつが爬虫類の医者でした。そして調べてみようと手に取ったのが、監修をしてくださっている田向健一先生の本だったのですが、とにかく面白くて、知識としても新鮮だったんですよね」
エキゾチックアニマル、略してエキゾとは、犬・猫以外の動物を指す獣医学用語。一般的な動物病院に就職したものの、犬アレルギーを発症したうえ、ミスを連発してクビになった神無望(かんな・のぞみ)は、まったく興味のなかったエキゾ専門の動物病院の門を叩く。そして敏腕エキゾ獣医、月光先生の下で働くことに。神無が最初に遭遇するのが、甲羅の割れた亀の治療なのだが、ラップでぐるぐる巻きにしたり、パテで割れた部分をつないだりして、クラフト感満載。
「亀はエキゾの中でも比較的身近な動物ですが、先生に取材をすると、マンションの5階から落ちて無事だった子もいるみたいなインパクトのある話ばかりで、本当に不思議な生き物なんですよね」
ほかにもトカゲ、蛇、ワニ、ウサギなどが登場するが、新米獣医の最初の難関が、検査や診療のために動物の体を一時的に動けなくする「保定」