一晩で20万人以上がシェア…テロで妻を失った夫が「犯人を憎まない宣言」をした意図【映画】
今回は、制作秘話などについてこちらの方にお話をうかがってきました。
キリアン・リートホーフ監督
母国ドイツでテレビシリーズや映画『陽だまりハウスでマラソンを』などのヒット作を生み出しているリートホーフ監督。世界中から映画化のオファーが押し寄せていたなか、原作者であるアントワーヌさんからの指名を受けて実写化を実現させています。そこで、本作を制作するうえで心がけていたことや演出時の苦労、そしていまだからこそ伝えたい思いについて語っていただきました。
―事前にアントワーヌさんと会われたときのことを「映画監督のキャリアのなかでも、最も感慨深い時間だった」と表現されていますが、その思いはどのように作品に生かされましたか?
監督僕にとってはアントワーヌと会えたことだけでも特別なことでしたが、彼は自分の悲劇的な経験を本にするという勇気のある一面を持ちつつ、いまにも壊れそうなもろさもある人物だと感じました。それだけに、自分たちの情熱を伝えたいけれど、「これ以上この人を苦しめたくない」という気持ちが強くなったのを覚えています。
土足で踏み込まないように心がけていたのもありますが、事件が起きたフランスから少し距離があるドイツ人であったことも、たくさんのオファーがあるなかから僕たちが選ばれた理由かなと。