愛らしい表情やぎこちないフォルムに夢中! みちのくの“民間仏”に注目した仏像展
顔とは対照的に衣のひだからは手が込んでいることがわかる。6体並んだときの祈りの静けさと装飾性を帯びた造形が秀逸。
《山神像》江戸時代兄川山神社/岩手県八幡平市
本展のメインビジュアルにも選ばれた、林業に携わる人々に今なお厚く信仰されている山神様。狭い肩、バランスのとれた3頭身、控えめな合掌ポーズが魅力的。
《不動明王二童子立像》江戸時代洞圓寺/青森県田子町
腰をくねらせた不動明王と、やんちゃそうな筋肉もりもりの童子たち。山深い土地で生まれた味わいあるトリオ。
《鬼形像》江戸時代正福寺/岩手県葛巻町
地獄で亡者の罪を責め苛む鬼が、左手に女性を引きずり得意満面な表情を見せる。楽しそうな表情からは、つらい現世を笑い飛ばしたいという願いも見受けられる。
《童子跪坐像》右衛門四良作江戸時代(18世紀後半)法蓮寺/青森県十和田市
丸みを帯びた像の底が前後に揺れる可愛らしい仏像。十和田にはこうした武骨で優しい像が多く残されている。
みちのく いとしい仏たち東京ステーションギャラリー東京都千代田区丸の内1‐9‐1(JR東京駅 丸の内北口 改札前)12月2日(土)~2024年2月12日(月)