世界が注目する“台湾総統選挙” 争点の一つは「対中国」のスタンスに
争点の一つは対中国のスタンス。3人とも現状維持を謳っています。頼氏は、台湾独立を唱える蔡英文氏の右腕ですが、「対等で尊厳を保つ前提のもと、対話や交流を行う」と慎重姿勢を示しています。国民党は台湾独立には反対ですが親中まではいかず、若干距離を置きたいという立場。民衆党の柯氏は「国民党は中国に対して従順すぎ、民進党は戦いすぎる」と、中間的姿勢を表明しており、「中国との公式な交流の再開が必要」と語っています。
習近平主席は11月の米・バイデン大統領との会談で、「平和的な統一を目指す」と話しました。実際に台湾の政治家を中国に招待しています。しかしこれは、中国の発展を見せて取り込んで、親中政権を樹立し、内側から一つの中国を成し遂げようとする選挙への介入だと、台湾政府は反発しています。
近隣地域で、民主主義を謳うのは日本と韓国と台湾のみです。個人の自由を重んじる社会の価値を共有する数少ない仲間。台湾の自由が失われると、世界はますます中国やロシアのような独裁的価値観が広がってしまいます。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」