たくさんの妖怪たちに会える! 水木しげる生誕100周年を祝う記念展が横浜に!
と感動したという。これをきっかけに現代の妖怪絵師としての才能が花開いていく。
「水木しげるが妖怪とどう向き合ってきたのか、順を追ってわかりやすく展示されています。特に水木が大きな影響を受けた『画図百鬼夜行』『妖怪談義』の展示は必見です」
と水木プロダクションの原口尚子さん。これらの資料からわかるのは、水木さんが昔の人が感じた「お化け」の形を大切にしていたということ。
例えば『画図百鬼夜行』に登場する「垢嘗(あかなめ)」、浮世絵師・歌川国芳が描く『相馬(そうま)の古内裏(ふるだいり)』に登場する巨大な骸骨など、先達の絵師たちが描いた妖怪の姿形を尊重し、ほぼそのまま活かしている。伝承として言葉だけで残る妖怪の場合は、さまざまな資料にあたって、丹念にその姿を浮かび上がらせたという。お馴染みの妖怪、「砂かけ婆」の表情が地方に伝わるお面を見て「これだ!」と決まったという具合に。
一方で「怖いだけではダメ」、と常々言っていたというように、よく見ると目元がかわいらしいなど、愛嬌があるのも水木さんの描く妖怪の魅力。会場では妖怪画の原画が100点以上、展示される。たくさんの妖怪たちに会えることに加え、肉筆に触れることで新しい発見もありそうだ。