たくさんの妖怪たちに会える! 水木しげる生誕100周年を祝う記念展が横浜に!
原口さん曰く、
「リアルな背景を描くことで、『妖怪がそこに存在している』という実存感を出そうとしていました」
Gペンで丹念に描きこまれた陰影、墨汁が醸し出す漆黒の味わいなど、妖怪絵師としての画力もじっくり味わいたいところ。
妖怪画を描くたびに心の中で「この形でいいでしょうか」と、その妖怪にお伺いを立てていたという水木さん。その心は妖怪を描き出すことより、その存在を現代に蘇らせることにあったという方が正確なのかもしれない。会場を後にする頃には、妖怪たちの存在がリアルに感じられるほど、私たちの妖怪感度も高まっているに違いない。
一反木綿
一反(約10m)ほどの白く長い布のようなものが空を飛び、時には人を襲うこともあるという。鹿児島県に伝わる妖怪。
©水木プロダクション
海坊主
全国各地の海上に現れる妖怪。姿を見て驚いて叫ぼうものなら、たちまち船はひっくり返されてしまうため、船乗りたちから恐れられた。
©水木プロダクション
がしゃどくろ
埋葬されなかった者の骸骨や怨念が集まり、巨大な骸骨となってガシャガシャと音を立ててさ迷う。幕末の浮世絵師・歌川国芳の作品を参考に。
©水木プロダクション
あかなめ
鳥山石燕が描いた『画図百鬼夜行』にも登場する妖怪。