くらし情報『日本での展覧会は8年ぶり! 村上隆、最新作のテーマは“もののけ”と“京都”』

日本での展覧会は8年ぶり! 村上隆、最新作のテーマは“もののけ”と“京都”

以降、新しい認識をもたらさないものは認めないという、欧米の作ったルールに則って運営される視覚分野の1ジャンルです。その分野で村上さんは、古典的な技術も含めて日本美術のオリジナルな方法、つまり『スーパーフラット』で挑戦し続けるトップランナーなのです」

西洋美術にとって未知の領域として評価されているという、その絵画はどのように作られるのか。

例えば1枚の絵画に対して、シルクスクリーンを何百版と重ねる工程を経る。そして仕上げに透明な樹脂を塗ると、ぺらっと薄いセル画のように見えるのだという。が、横から見るとキャンバスの上にスクリーンを重ねた分の厚みがあり、完全なペインティングであることがわかる。

「海外の人にどうやって描いたのかと聞かれますが、全く新しい視覚体験に近いものだと思います」

村上さんの著書『想像力なき日本』に現代美術とは“作家が生きていた時点での現代”を時代を乗り越えて伝えるもの、という言葉がある。「現代」を一番パワフルに表現しうる手段として「スーパーフラット」で真っ向勝負する村上さんのよりどころが京都にある。この地と向き合って生まれた最新作の数々、気迫と美しさに触れてみてほしい。

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