あらゆるリスクを考え事前に議論を! 今、世界で注目の「脳埋め込みデバイス」
を研究しており、医療機器のベンチャーとして「JiMED(ジーメド)」を2020年に設立しました。ニューラリンクをはじめ、欧米のBMIは主に「侵襲型」といって、デバイスを直接脳に繋げて脳波を計測します。しかし、脳はデリケートな臓器ですから、直接埋め込むのは大変なリスクも伴います。日本では「低侵襲型」という、脳への負担を軽減した技術の開発を積極的に進めようとしています。低侵襲型は、侵襲型に比べて精度が低いといわれていましたが、最近の研究ではほぼ同等のデータを得ることが可能になりました。
脳科学者の茂木健一郎さんは、これを機に、自分の脳への興味を深めてほしいと話していました。今後、議論が必要になるのは倫理の領域でしょう。研究開発がさらに進み、脳の思考を司る部分までもが人工的にコントロール可能になった時に、誰が何の目的でそれを使うのか。
デバイスがハッキングされることはないのか。あらゆるリスクを考え、事前に議論をし、対策をとっておかないと危険だと思います。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)