「ここまで濃厚なドラマになるとは」 『劇場版ブルーロック‐EPISODE 凪‐』の魅力を原作者と監督が語る
天才なので、特に苦労なく“ブルーロック”を勝ち抜けるという物語でも成立したと思います。でも、『そうはさせない』と、巨大な壁として本編の主人公である潔が立ちはだかる。天才がその才能だけで“ブルーロック”をのし上がるような傲慢さには抵抗があったし、凪をそういうキャラクターにはしたくなかったので」
一方で、凪の才能を見出し、世話する存在である玲王も、成長していく凪への葛藤など、劇場版ではその心境も明らかになる。
「玲王は登場させるだけで面白いというか。凪にフォーカスしたことで、彼の方が人間的に掘り下げることができたように思いますね。お金に恵まれ将来を約束された御曹司であるけれど、僕らみたいな一般人に近い感覚があるので、読者目線からも共感しやすいキャラクターだと思います」
“ブルーロック”入寮から一次選考終了までを中心に描かれる劇場版の『エピ凪』については、金城さんはストーリー監修として参加。映像としての感想を聞くと、
「凪と玲王に焦点を当てているので、ウェットな感じとキラキラしている感じ、どちらも入っている人間ドラマだなと思いました。途中、凪と玲王の関係も含めてドロッとしたり、ギラついたりするところもあるけれど、最後は光の射す方へ抜けていく。