仕事を貫く確固たる私「I (アイ) 」 デザイナー・石岡瑛子に迫った展覧会が話題に
という哲学を持っていた彼女の仕事は海外の巨匠たちの目に留まる。’80年代、NYに拠点を移してからも、ファッション写真界の巨匠アーヴィング・ペンや映画監督フランシス・フォード・コッポラとのコラボレーションを通じて、さらなる飛躍を続けた。
彼女の仕事を貫く確固たる私「I(アイ)」を支えたのは、デザインを生み出すまでの徹底した調査や、1ミリの細部にも妥協を許さない姿勢。制作の現場は常に緊張の糸が張りつめ、刃物のような存在と彼女を揶揄する人もいた。そんな声を意に介さず、「表現者にとって一番大切なのは鍛錬」とバイタリティの塊のような生涯を送った。瑛子が信じ続けた“自分力”は、今を生きる私たちにとっても必要な考え方かもしれない。
巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督と瑛子のコラボレーションが実現した映画。『ドラキュラ』で見事アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞。
「ドラキュラ」映画ポスター(1992年)
フェイ・ダナウェイを観音像に見立てた強烈なビジュアル。
「西洋は東洋を着こなせるか」PARCOポスター(1979年)
藤原新也とコラボレートしたパルコのキャンペーンでは、インド、モロッコ、ケニアの砂漠のまわりや山岳地域に住んでいる女性たちを撮影。