ゆっきゅん×金原ひとみ「これだけは楽しいってものがあるのって強い」
大好評の対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。作家の金原ひとみさんをお相手に迎えたおしゃべりも、ついにラストです(過去回もぜひお読みください…!)。今回は、お互いの小説執筆、作詞作業のことについて、お話しました。
現実が実人生だけだったらきっと耐えられない。
ゆっきゅん(以下、ゆ):私、一般的な人が抱えてる課題みたいなものから降りてるから、年齢ごとの苦労とかよくわからなくて。
金原ひとみ(以下、金):私もそこから脱却してるんですよね。小説を書いているせいかもしれないけど、現実が絵空事というか、地に足がついていないところがあって。臓器が捻れそうなほど泣いたり喚いたりしてても、どこかで小説のネタとして捉えてるところがあって。
あまり誠実に現実と向き合ってないんじゃないかな、と思ったりもします。
ゆ:現実に起きていることや、それへの向き合い方が小説になってるってことですよね。
金:そうですね。私の場合はすべてが小説につながっていくから。創作と実人生が編み込まれちゃってる感じがする。実人生は俯瞰して眺めている感じがします。
ゆ:自分を見つめる客観性が、どの作品にもありますよね。鋭くて冷たくて、それでいて熱い。