奈緒「知れば知るほど演じるのが苦しかったです」 鳥飼茜による漫画『先生の白い嘘』が映画化
役を演じるうえで、どうしてもそこと向き合っていかなければいけなかったのですが、割り切った気持ちでは考えられないことが多くて…。知れば知るほど演じるのが苦しかったです」
画面に映る美鈴の空虚な表情のリアルさは彼女の抱えた闇の深さを想像させ、こちらも苦しくなるほど。
「こう見せたいとか、こういう感情で演じようということは正直考えていなくて。ただ、その場で湧き上がる感情みたいなものは、お芝居をしていたらどうしてもあるので、それを大切にしていました。4人の主要人物がいて、それぞれとの関係性が美鈴という人物を理解するうえですごく大きな部分。だから早藤くんや美奈子、そしてそこに現れた新妻くん(猪狩蒼弥)に対して自分の中で芽生えていく気持ち、初めて出合う感情を一個一個ちゃんと掬い取りたいと思っていました。そのうえで画面の中でどう見えてどう受け取られるかは、編集まで手がける監督さんやお客さんが決めてくださることですので、私は意識してないです」
重苦しく辛い場面が多いが、救いもある。ひょんなことから美鈴は、新妻から心を寄せられるようになる。
猪狩さん扮する新妻との純粋でまっすぐな恋は、美鈴の、そして観客にとっても癒しのような場面だ。