くらし情報『国会を舞台にハイキャリア女性が直面する差別を描く…驚きと感動の結末にも注目の『女の国会』』

国会を舞台にハイキャリア女性が直面する差別を描く…驚きと感動の結末にも注目の『女の国会』

政治記者の和田山怜奈や朝沼に憧れていた地方議員の間橋みゆきも加わって、事件は驚きのエンディングへ。

本書は4つの章からなり、事件の角度を変えて解いていくスタイル。各章の語り手となる職業の女性たちには、取材もした。

「政治的ビジョンや職業的な話ではなく、どんな喜びやストレスがあるかといった“人となり”に着目して取材し、物語に活かしました。私自身が肌感覚で政治というものに近づけたし、ニュースを見るのが楽しくなりましたね。都知事選挙の報道やSNSで、わざと女同士の対決を際立たせる風潮を目にすることもあり、作品世界で描いていたようなことが現実でも起きて驚きました」

新川ワールドらしく、キャラクターたちがみな魅力的。セクハラしてくる大物議員までもが、一目置きたくなる一面を発揮する。

「どの人物も特にモデルはいないのですが、主人公の高月だけは、我ながら市川房枝さんに影響を受けた感じがします。
取材する中で感じたのは、政治家の方って基本的にみなさんにカリスマ性があるんですよね。ただの悪代官では政治家らしくないので、肉付けには腐心しました」
真相が暴かれた後の決着も感動もの。ぜひ読むべし。

『女の国会』〈お嬢〉と呼ばれる朝沼は〈国民党〉は与党所属。

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