マリリン・モンローを新たな視点で読み解く! 山内マリコ「実は、時代が追いついていなかっただけ」
上京した途端にステイホームの号令がかかり、孤独な生活を強いられている女子大学生の瀬戸杏奈。ある日、マリリン・モンローから電話がかかってきて…。山内マリコさんの『マリリン・トールド・ミー』は、女性の選択の新たな道標となりそうな成長物語だ。
女優マリリン・モンローを、新たな視点で読み解くエンパワーメント小説。
「コロナ禍が始まる前から、マリリンを軸に書きたいとは思っていたんですね。大きなきっかけは、作中にも挙げた田中美津さんの『いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論』です。この本を読むまで、マリリンをフェミニズム的な文脈で捉えたことがなかった。女性解放運動が活気づくのはマリリンの死後なのですが、彼女がもう少し長く生きていたらフェミニズムで救われたかもしれないと思ったんです」
山内さんは、杏奈に思いを託す。
杏奈は、3年生から履修した〈ジェンダー社会論演習IV松島ゼミ〉でジェンダー学やフェミニズムを学ぶ。マリリンという女性とその時代についての考察を深めていくと…。
「私も誤解していたのですが、実際に調べてみたら、本名のノーマ・ジーン時代にお金のために撮ったヌード写真スキャンダルに対して毅然と立ち向かったり、#Me Too運動を彷彿させるセクハラの告発をしていたり。