仕事を離れざるを得なくなるケースも…“カスハラ”が社会問題化
カスハラの第1の問題は、業務のパフォーマンスの低下ですが、2つ目に大きな問題は、労働者の健康不良と現場対応に恐怖を抱いてしまうことです。顧客から繰り返し否定的なことを言われ続けて自尊心を傷つけられ、真面目に顧客対応をしていた方が「自分は会社に迷惑をかけてしまっている」と心を病み、仕事を離れざるを得なくなるケースが少なからず発生しています。
ヤマト運輸のコールセンターでは、カスハラ対策として、「脅されているようで怖いです」など、一次対応者が自分を主にした気持ちを伝えて相手に冷静になってもらい、それでも改善されない場合は、電話を代わった管理者が、「あなたの行為はカスハラです」と第三者の視点で伝える2段階案内を導入しました。
対応者が仕事を離れなければいけなくなるほどのクレームというのは、想像力を欠いた行為です。自分で業を起こす人が増えれば、顧客対応者の思いに気づくことができ、カスハラ軽減につながっていくのかもしれません。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。
「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)