恋に落ちた瞬間のあのキュン!となる気持ち【私をしあわせにしてくれる1000のアイテム】#0053
初はそれまで、恋をしたことがなかったけれど、徳兵衛は別格でした。
「知っている顔だが知らない人だ、会ったことはない人だと気づいたとき、初は、長く細い指で背中をすっと引っ掻かれた気がした」
死にゆくまでの儚い数日を描いているんですけど、初の心情や揺れる想いなどが伝わってきます。
「これが恋か。初は思った。これが、恋か。ほほえみながら、泣きながら、高笑いしながら、物思いにふけりながら、不安に顔をゆがめながら、嫉妬に胸を焦がしながら、記憶に指先まで浸りながら、幾度も幾度も、思った。これが、これが、これが、恋」
恋をしたことがある人なら、きっとわかる心情が胸に迫ってきます。
最近、パートナーとうまくいっていない人や、恋から遠ざかっている人は、この小説を読んでみてください。
とっても、読みやすく書いてあります。恋に落ちた瞬間の、あのキュン!となった気持ちが蘇ってきます。
それでいて、初は徳兵衛のことを心底、信用していません。どこか冷めた目で、観察しているようなところがあります。徳兵衛って、すぐに泣くし、だまされるのも当然、みたいな男なのです。だけど、それは徳兵衛の本当の姿なのか・・・・・。