くらし情報『人類が「陸のライフスタイル」をやめる時代』

人類が「陸のライフスタイル」をやめる時代

 
今から遡ること25年前の1991年の夏。 
二人のカナダ人夫婦によって、この取り組みはスタートした。 
キャサリン・キングとウェイン・アダムスが自分たちの新しい生活の拠点として選んだ先は、カナダ・バンクーバー島の太平洋側に位置するクラークワットサウンドの人里離れた湖畔。 
「アーティストとして活動していきつつも、ほしい暮らしを手に入れるには、必要最低限のものを自分たちの手でつくることが最善の方法だった」と当時のようすをウェインは語る。 
生粋のアーティストとして、常識にとらわれない自由な居住空間で表現活動を続ける二人。 
今につながる暮らしへのエンジンは、クリエイティブへの変わらぬ“情熱”と、「なければ、つくる」というアーティストならではのシンプルな“哲学”だった。

オフグリッドとオフショア

(Photo by Michael Stolz)

(Photo by Michael Stolz)

ターコイズブルーとマゼンタ色に彩られたその空間には、二人のクラフトマンシップと自然の恵みを最大限に活かすための、こだわりと工夫が凝縮されている。 
敷地内には、二階建ての母屋をはじめ、野菜や果物を育てるビニールハウスが4棟とフラワーガーデンが数面、アートギャラリーやダンスフロアー、灯台からカヌーの船着き場までが規則的に配置されている。

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