部屋の中央には小さな電球がひとつぶら下がっており、鼓動の音に合わせて明滅する仕組みになっている。
これも、彼のインスタレーション作品の一部だ。
現在、写真も音楽もインターネットで検索すれば瞬時に見聞きすることができる。
しかし、こうして集めた心臓音を、小さな島に保管する理由について、ボルタンスキーはこのように語る。
「『心臓音のアーカイブ』をインターネット上にのせるとしたら、それはとても簡単なことですが、私はこの作品を豊島に設置することを望みました。そうすると、人々は作品を体験するために豊島まで時間をかけて行かなければなりません。そうした時間を考えると、自分たちが聞く心臓音かどんなものか豊島に向かいながら想像するかもしれません」
心臓音は生まれてから死ぬまで自分と共にあるというのに、その音に改めて耳を澄ませる経験は非日常的なものである。
音と共に明滅するランプと、部屋中を振動される大きな音は、鑑賞者に嫌でも『生死』を突きつけることになるだろう。
細胞アートが人々を「死」から救う!?
Cellular by Ouma from WTA – Werner Thöni Artspace on Vimeo.
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