テストの答案用紙。精算時のサイン。持ち物への記名。
世界中の5人に1人は、このように自分の名前すら書くことができないのだ。
“書けない”と“読めない”が生み出す悪循環
(Photo by The Advocacy Project)
発展途上国における識字率の背景には、貧困や戦争といった問題が存在する。
十分に教育が受けられずに育った人々は、読み書きや計算ができないため、きちんとした仕事に就くことができず、安定した収入も得られない。
特に女性の場合は顕著であり、一生家事手伝いだけをして暮らす人もいるのだ。
読み書きができないということは、教科書や本、仕事のマニュアルを読むことができない。
そして、仕事をする時の契約書を理解することができないため、不当な雇用契約を結ばれてしまうといった被害もある。
自分の意見を多くの人々に発信することも叶わない。
さらに「書けない」「読めない」は次の世代にも連鎖する。
つまり、親が読み書きができないと、子どもも同じ道を辿る可能性が高い。