ホームレスからエリートまで即席コンサート!ポートランドならではのコミュニティ作りの秘訣は「要らなくなったピアノ」を街に放置することだった。
ストリートに突如ピアノが出現し、演奏が開始されると、街を行き交う人が足を止め、その音色に聞き入った。偶然その場所を通りかかった人々同士、また奏者とが音楽を通して繋がる空間が生まれた。クラッシック音楽を学んできたメーガンさんには、いわゆるエリートが集まるクラッシクコンサート会場とはまるで違う観衆の様子が新鮮で、素晴らしいものに思えたそうだ。その経験を通して、改めてピアノの持つ力を実感した彼女は、翌年以降も屋外にピアノを持ち出そうと動き始め「ピアノ・プッシュ・プレイ」プロジェクトが誕生した。
ポートランドの夏の風物詩となった「屋外ピアノ」
現在「ピアノ・プッシュ・プレイ」プロジェクトは、市や、アーティスト、ミュージシャンなどを中心とした有志の協力を得て「不要なピアノ」をアーティスティックに蘇らせ、市内の公共スペースに夏の間設置し、プロジェクト終了後は学校や公民館などに寄付をするという流れで展開されている。 毎年プロジェクトのキックオフイベントは、「ポートランド美術館」の中庭で開催される。一旦公園などに設置されたピアノは、24時間通しで通常2週間その場所に置かれ、市民は誰でもピアノを弾くことができる。