ホームレスからエリートまで即席コンサート!ポートランドならではのコミュニティ作りの秘訣は「要らなくなったピアノ」を街に放置することだった。
また、ミュージシャンのフリーコンサートにも使用される。
初年度はピアノ店の地下に眠っていた5台の中古ピアノを譲り受ける形で始まったが、毎年規模を拡大。近年では、市民が寄付した10台程度のピアノを市内全域に設置している。ポートランド市とも密接な関係を築いており、市は「ピアノは、ポートランド市民へのギフト。ピアノのあるこの街は、もっと魅力的(magical)だ」と、プロジェクトをサポートしているほど。
ピアノ・プッシュ・プロジェクトの意義
③地元アーティストとの交流プロジェクトで使用するピアノには観衆の目をひくアートを施すのだが、この作品は、サイズも大きい上に2週間通しで屋外に設置され、大勢が気ままに触るという特殊なものだ。参加アーティストにとっては大きな挑戦だが、作品を「使う」観衆の反応を見て、新たなアートの形や可能性を発見できるという。また、市民はピアノを通して地元アーティストの作品を知ることができる。 ④ピアノ奏者に演奏を心から楽しんでもらう音大出身のメーガンさんは、コンクールで勝ち残るため、楽器の練習に明け暮れる学生時代を過ごした。しかし結果、そんな生活に嫌気がさして、大学卒業後は音楽と縁のない職業に就き、5年以上も演奏から離れる道を選んだ。