#002「犬肉」を食べる人々を非難することは正義なのか?“偽善者アレルギー”の私が観る、犬肉祭とは。| カミーユ綾香の「マイノリティ爆弾」
食欲が失せた理由は、犬肉加工の血みどろな画像に胃が萎えたからです。恐らく死ぬまで犬肉を食べることはないと思います。が、犬肉祭自体には、心から賛成であるのです。私の心は犬肉に対して否定的な反応ですが、これは私個人の問題です。犬肉祭の存続は、チワン族の全体の伝統に関わる問題です。私個人の心が否定的な反応をしたからといって、この犬肉祭自体の廃止を訴えるのは、超絶に厚かましい行為だと思うのです。 そういう考えを抱きながら、犬肉祭について、周囲に質問をしてみました。すると殆どが否定的な反応です。
「犬が可哀想だから犬肉祭は駄目だ」とか、「中国人は野蛮だ」とかそういう答えです。こういう回答を聞き続けているうちに、図らずも私の持病が悪化してしまいました。私の持病というのは、偽善者アレルギーです。偽善者に会うと、身体が痒くなるのです。どうやら私の身体は、犬が可哀想だから犬肉祭を廃止しろというアイデアを、偽善的だと受け取ったようです。 犬が可哀想、可哀想と何度も聞くうちに、のどが痒くなり、心身ともに虫唾が走ってしまいました。犬肉を調理している中国人をみても、食欲減退程度ですが、犬肉祭反対と叫んでいる偽善者を見ると、気持ち悪くて寒気がします。