時代に逆らい「自分がいいと思うもの」を追求してきた“還暦の音楽狂”が、現代の日本の若者へ伝えたいこと
▶︎【連載】「ベルリンの壁をすり抜けた“音楽密輸人”」 鋼鉄の東にブツ(パンク)を運んだ男、マーク・リーダーの回想録(完結)そして2018年2月、満を持してマークが来日。1982年に西ベルリンで始まり、音と光を実験的な表現で探索するフェスティバルBerlin AtonalとHEAPSの共催で、映画上映とトークイベントが行われた。
時は流れ、ヒッピーがメインストリームだったマンチェスターに突如パンクが到来する。
ある日ロンドンのセックスピストルズってバンドがラディカルだってどこかで読んだんだ。すごく興味を持った。どっかの新聞にはそいつらが老人に唾をはいたって書いてあるんだ。「やるじゃないか」って思ったね
店にセックスピストルズと並び3大パンクの一つに数えられるThe damned (ダムド)のレコードが入荷するとマークはすぐに夢中になる。
The damnedってバンドのレコードが店に入ってきて「なんだこれは!」ってなったんだよ。
まず、すごく短くてさ。その頃は複雑な音楽がいいものとされていて、うんざりしてきたとこだった。人気の絶頂だったYES(イエス)のアルバム『Tales from Topographic Oceans(海洋地形学の物語)