#005 「アーティストは稼げない職業だとは思わない」。アフリカにフィルム写真を広める21歳の写真家の夢|ノマド・ライター マキが届ける『ナイロビ、クリエイティブ起業家の肖像』
ブームになりつつあるからこそ、写真の基礎を改めて見直したり理解したり、周囲の環境や被写体の美しさを認識する必要がある。何か(結果だけ)が即座に評価されて、そのプロセスが見落とされてしまっているような、変化の激しい世の中におかれているからこそ。あとこれはマガティが言っていることだけど、(フィルム写真は)人々と都市の対比を表現するのであれ、人物のポートレート写真であれ、すべてが瞬間瞬間の微細なところに近づくことを可能にする行程(journey)なんだ。マキ:想いを共有する3人が作るコレクティブだからこそ、大きな挑戦ができるのかもしれないね。
「Brikichoは、写真で物語を紡ぐ『作家』になるんだ」
Brikichoが発する、フレッシュで荒削りな言葉、素直な回答には、何かアーティストがものを生み出すことの作業の本質的な部分があるように感じました。
フィルム写真という媒体を使って生み出される彼の作品そのものも素晴らしいですが、フィルム写真に向き合うことで、自分自身と向き合っている彼の生き方そのものに、わたしは心を動かされました。そして何よりも彼は仕事や人生を楽しんでいるように見えます。BrikichoとFits Collectiveの存在が、これからもっと大きくなっていくその過程を観察し続けたいです。