くらし情報『#005 「お茶しよ」ってコーヒー飲んでない?85年間続く、宮城の茶屋・三代目に聞いた“忘れ去れし”お茶の魅力|EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」』

#005 「お茶しよ」ってコーヒー飲んでない?85年間続く、宮城の茶屋・三代目に聞いた“忘れ去れし”お茶の魅力|EVERY DENIM山脇の「心を満たす47都道府県の旅」

矢部園の創業は、矢部さんの祖父の代にあたる。静岡の相良(さがら)という町の畑でお茶づくりをしていた彼は、訳あって宮城県塩竈にたどり着いた。そこで6畳間の軒下を借り、自分が作ったお茶の行商をスタートさせたのが矢部園の始まり。昭和9年の創業から現在まで85年間、親子3代にわたって美味しいお茶づくりと、そのお茶を人々の元に届け続けてきた。

僕も学生時代はアルバイトとして家業を手伝っていたものの、正直その頃は「日本茶なんてどれも同じじゃない?」なんて思っていた。でもやっぱり、農家だった爺さんの背中はずっと見てたんだろうな。結局継ぐことになって、しかも爺さんがよく口にしていた言葉をいつしか自分も話してるんです。
大学卒業後一度は就職したものの、家業とともに祖父や父の想いを継いでいくことになった矢部さん。
日本茶の魅力を届けるという仕事について、関わる人たちのことも自分ごととして考えている。

僕はお客さんにお茶をおいれするときに、農家さんの背中が見えるくらい言葉を使って説明する。なぜこのお茶が美味しいのか。どんな工夫がされていて、誰が作っているのか。 それをきちっと伝えた上で、お客さんに喜んでもらって、喜んでもらえたということを、農家さんにも伝えに行く。

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