【シネマモード】『50/50』を書き上げたW・レイサー「人生に必要なのは、笑い」
映画では主人公は27歳だけれど、僕ががんと宣告されたのは25歳のとき。映画はフィクションだけど、すべて僕が乗り越えてきたことを物語っているんだよ」とレイサー。とはいえ、6時間に及ぶ腫瘍摘出手術も経験した彼だけに、闘病生活をふり返ることは辛い経験であったはず。
「あれ以来、人生は上り調子。6年前は本当に辛かったけどね。厳しい手術も経験したし。脚本を執筆するために、僕は辛い記憶を掘り起こさなければならなかった。でも、自分の体験をふり返りながら1ページ1ページ書き綴り、自分の経験を通してもうひとつの世界を創造することで、抑圧されていた感情を解放することもできたと思う。
ライティング・セラピーのような効果もあったと思うよ」。
自らの体験から生み出した主人公・アダムは、「いわば僕の分身」なのだとか。「でも、主演のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)には演技的な自由を持ってもらうことにしたんだ。僕自身に似せてほしいなんてことも言わなかったしね。でも、結局のところ、彼が創造したアダムは、映画を観た僕の家族や友人に言わせるとすごく僕っぽかったらしいんだ。でもそれは、ジョーが自然に役作りをして行き着いた結果。