くらし情報『俳優ライアン・ゴズリングに迫る!vol.3 鬼才ニコラス・W・レフンが語る「愛」』

俳優ライアン・ゴズリングに迫る!vol.3 鬼才ニコラス・W・レフンが語る「愛」

が頭をめぐって涙が出てきたんだ。それで車窓から外を眺めていたら、ロスの高速の夜景が広がっていて、BGMには『REOスピードワゴン』が流れていて、ライアンが運転していた。その全てが良くて、この映画を撮りたいと思ったんだ」。

哀愁漂う風景とライアンの運転する寡黙な姿が合わさった瞬間に、ドライバーという男が誕生したのだ。そして、本作の最大の見どころであるドライバーの“涙”も、きっとここから生まれたのだろう。それにしてもこのドライバー、名前もなければどこから来た者なのかも分からない。敢えて語らないことに、監督は何を意図したのか?
「引き算をすることによって観客は謎を深め、より意味を汲み取ろうとする。彼にセリフがほとんどないという設定も、孤独な存在にするというより、彼をより謎めいた存在にしたかったから。
言葉を発しない寡黙な男にすれば、彼がやること成すことに何か意味があるんじゃないかと思うわけ。ただ自分なりにしか彼を理解できないんだけど、それがより彼を面白くするんだよね」。だが、当のライアンにとってこの名もない男を演じるのには試練が伴ったよう。
「全体の撮影期間が7週間というハードスケジュールの中、カーチェイスのシーンは2日間くらい、車中のシーンに至っては全部1日で撮ったんだ。

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