くらし情報『玄里meets監督・犬童一心 足掛け9年『のぼうの城』の裏側、“映画な映画”へのこだわり』

玄里meets監督・犬童一心 足掛け9年『のぼうの城』の裏側、“映画な映画”へのこだわり

ここは間違いなく映画だという瞬間を作れているのかってね。

玄里:たしか、以前に監督がホラー映画を撮りたいと仰ってたと思うんですが、それは本当ですか?

犬童:そう、僕はホラーや怪奇映画が大好きで、そういった映画の作り方そのものが好き。実は『ジョゼ~』も『メゾン~』も『金髪の草原』もホラーや怪奇映画の作りがベースになってる。3つとも屋敷に変わった人が住んでいて、そこに普通の人が訪ねて来て、ドラマが生まれ、そこから出て行くまでの話なんだ。

玄里:なるほど、お化け屋敷みたいな?

犬童:そうそう、屋敷に住んでる人というのは一種のドラキュラみたいな存在で、本人のビジュアルや屋敷の美術がキャラクターを表現する。ドラキュラ映画のように作っていく。僕の中では『のぼうの城』は久しぶりの屋敷映画なんだ。

玄里:『のぼうの城』についても聞きたいんですけど、先日観させていただいて、とにかく冒頭から目を引き付ける画が多いんです。
大波を背に高笑いする秀吉役の市村正親さんを見て「狂ってるなぁ」とゾクゾクしたし、のぼうさまを探すため 大馬を乗りこなして村を駆けずり回る佐藤浩市さんの馬術に感嘆しました。歴史ものとファンタジーって実は紙一重なんだよなあと気づかせてくれる作品でしたね。

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